86から93話 クマゴロシノシカヒグマとエゾシカ美森森林公園でヒグマの目撃情報がでている。
エゾシカの中に左ツノにヒグマの頭蓋骨をぶら下げた個体がいる。ヒグマがシカを狩ろうとして逆にやられたのだろう。ヒグマは普通は木の実やフキなどの植物と昆虫類を食べる捕食性。稀に肉食に傾く個体もいる。
ヒグマとそのクマ殺しエゾシカが対峙する。シカが負けた。狩りをしたヒグマは「MIMO」と名付けられた。テレビで報道されSNSでも話題になる。マスコミが「MIMO」の姿を撮ろうとカメラを危険な場所に構える。注意しても聞かない。背後から「MIMO」が現れた。メインキャスターが襲われそうになり、当麻が庇って頭を負傷し、意識不明に。夢の中でカステラに出会う。茨戸のことを忘れている。「MIMO」はそのまま逃げた。クマ殺しのエゾシカの死体がみつかったから、解剖する。茨戸は友達に付いていたいが、当麻なら研究室に向かうと考え、解剖にいく。頭蓋骨のヒグマと「MIMO」は肉食に回帰していた。猟友会により、「MIMO」は駆除された。SNSではクマが可哀想とか、大学生がクマが出る危ないところを歩いていた、とか勝手なことを書かれている。
当麻は夢の中でカステラの最期の顔を思い出した。そして、目が覚めた。
DNA鑑定の結果、頭蓋骨と「MIMO」は親子だった。
当麻と茨戸は「MIMO」が駆除された場所に行き聞き込みをする。
当麻に助けられたキャスターかも当麻に取材を申し込んできて、インタビューを受けることになった。
頭蓋骨になったヒグマ、クマ殺しのエゾシカ、肉食ヒグマ「MIMO」3頭の最期がどうだったのか。何を見て何を思った最後であったか。
ヒグマの親子は森で子育てをしていた。しかし、森の恵みが不作で食べ物に困っていた。死んだエゾシカの肉を食べるようになり、やがて母グマはエゾシカを襲うようになった。そして、エゾシカに負けてしまう。残された子グマは頭のない母親グマの肉を食べた。そして、ある日、母を殺したエゾシカと対峙した。
当麻は「動物たちの最期の感情」を「目の前の生き物を排除して生きる。命の奪い合いをしている彼らは真摯であり、謙虚でもある。祈りのような感情だったかと思う」と言った。
SNSについては感情は知識を得る「種」興味が出たのならば知ればいいと思う。「MIMO」を撃ったハンターが引き金を引くとき何を考えていたか。この一発で仕留めることができなければ、自分だけでなく、周囲の人間がやられる。一人で撃つほうが良いと思った。撃たないという選択肢があるから。
当麻は動物をこの地で生きていく同居人。と考える。
『『法獣医学』は死体を扱うからって悲しい学問じゃない。人間も動物も生きるための学問。そうだと思いませんか。』
94話 ヒトテレビ出演から9年後、当麻は獣医師免許をとり『法獣医学』が発展しているアメリカに2年前から留学していた。茨戸は獣医師免許をとり、環境省の道へ。当麻が帰国。みんなの今。皆が当麻の影響をうけ成長した。
最終話 ラストカルテ北海道で当麻と茨戸が会う。バーで飲んでいる。茨戸「当麻は人の悲しい体験を大切な記憶へと変える力を持っていると思う。当麻のおかげで夢を捨てずにすんだ」茨戸は議員を目指す。そうしたらいつかは動物の法律に関わることができる。当麻は美森大学の講師になる。