## 概要
最初から人前で堂々と話せる人などおらず、堂々と話している人は半年以上前から入念な下準備をしている。その下準備の内容や話し方のテクニックがまとめられた本。本当の自分の他に人前で話す自分(セルフパペット)を作り、その作り出した自分を操りながら話すことが、人前で堂々と話すコツ。話している最中の緊張緩和方法や人を引き込む話し方なども紹介されている。
## ポイント
セルフパペットを作るにあたり、未来にどんな自分になりたいのかをイメージトレーニングし、自己暗示を自分にかけていく。イメージトレーニングした内容は書き出し、すぐ目につくところに置いておく。それを読み上げたものを録音してもよい。毎日なりたい自分のイメージを確認して自己暗示をかける。
話している最中の緊張緩和の応急処置は、様々な手段がある。
1、単純に痛みで緊張を上書きする痛点刺激。大きく手を叩いてみたり、指先を爪で強く押すだけでよい。
2、間を取る。緊張すると何か話さないといけない気持ちになる。全然そんな必要はなく、水を飲んだり、一呼吸おくことで、自分がリラックスできる。話に緩急をつけられて、聞いている側にとっても聞きやすくなる。
3、重心を移動させる。利き足を前に出して立つ。
4、聴衆に問いかける。「ここまで宜しいでしょうか?」よろしいか?と聞かれてよろしくないと答える人はいない。この問いかけをすることで、間を作れる。
5、メインメッセージを入れる。「つまり、私が言いたいことは、〇〇なのです。」3回は言う。そのくらいの回数を言わないと聴衆の頭に残らない。
6、不測の事態は実況中継をする。パワポが急に固まってしまった場合などに「次のスライドにいきたいのですが、固まってしまった」などの実況中継をする。聴衆もそれを聞くだけで状況を理解でき、不安にならない。
7、「緊張している」などの自己開示をする。
人を話に引き込むには、話し方に変化をつける。
1、速さ。重要な点はゆっくり話す。
2、声。重要な点は高く、大きく話す。
3、表情。真剣に話すところと、笑顔で話すところをつくる。たとえ笑顔であったとしても、ずっと同じ表情はよくない。
4、目線。ずっと前を見ているのも、ずっと原稿を見ているのもダメ。両方をひたすら行ったり来たりするのも良くない。極力、聴衆の方を向いて話、固有名詞や数値といった重要な内容(正確に伝えるべき内容)の前で原稿に目を落とすと説得力がでる。しっかりと確認しながら話している感が聴衆に伝わる。
5, ジェスチャー。静と動。人間の目は動くものに気を取られるようにできている。重要な話をするときは極力同じポーズでジェスチャーを使わない。
ひたすら発表練習をする。動画を撮る。撮影した動画を見返す。動画から文字起こしをして、活舌が悪い場所を見つけて修正する。