哺乳類の興隆史――恐竜の陰を出て、新たな覇者になるまで [Kindle]

  • みすず書房 (2024年7月18日発売)
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本 ・電子書籍 (633ページ)

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  • 「獣」つながり

    約3億年前に爬虫類の祖先と分かれたグループが幾多の小惑星の衝突や火山の噴火、気候の変動などに起因する絶滅事件を乗り越え私たちに至るまでの、途方もない歴史を描く。

  • 哺乳類の祖先、ディメトロドンの姿は、背びれを立てたトカゲのようで意外だった。単弓類は穴を頭蓋にひとつ作り、以前より強力になったアゴを閉じる筋肉を納めた。哺乳類の祖先は犬歯や切歯という複雑な役割の歯をつくるようになった。単弓類の一部の獣弓類は代謝を上げて体温を上昇させ、体毛を発達させ、広範囲を探索する捕食者となった。ペルム紀の大量絶滅で多くの種を失ったが、体を小さくして生き延びた連中がいた。左右に腰を振る歩き方から、上下に背骨を振って活発に呼吸をしながら移動できるようになった。ジュラ紀、白亜紀、大型に発達する恐竜の陰に隠れて小さいままニッチを埋めた。隕石が墜ちて白亜紀が終わり、また大量絶滅を生き延びたわずかな哺乳類は、恐竜不在の環境下で大型化した。氷河期も生き延びた大型哺乳類たちは、しかしやがて二本足で立つ奇妙な猿に、大量絶滅されることになる。

  • ふむ

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著者プロフィール

1984年アメリカ生まれ。エジンバラ大学で教鞭を執る。博士号をコロンビア大学で取得後、2013年より現職。専門は恐竜などの古脊椎動物の解剖学・系統学・進化。これまでにブラジル、イギリス、中国、リトアニア、ポーランド、ポルトガル、ルーマニア、アメリカでフィールドワークを行う。また、15種を新種として記載している。著書に、Dinosaurs(Quercus 2008), Dinosaur Paleobiology(Wiley-Blackwell, 2012年), Day of the Dinosaurs(Wide Eyed Editions, 2016年), Walking with Dinosaurs Encyclopedia(HarperCollins, 2013年), The Rise and Fall of the Dinosaurs(William Morrow, 2018年〔『恐竜の世界史』黒川耕大訳、土屋健日本語版監修、みすず書房〕)などがある。

「2019年 『恐竜の世界史』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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