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本 ・電子書籍 (283ページ)
感想・レビュー・書評
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第172回直木賞受賞作。
地学・陶芸・“狼混”・被爆・隕石・地磁気など作者の科学者として参考文献に基づく入門書のような科学に疎い私でも興味を惹かれる短編集となっている。
『「星隕つ駅逓」は白滝が舞台で、その描写は自分自身の生活と驚くほど一致していた』と取材を受けていない女性のことが新聞の記事に載っていた。緻密で精巧な、まるでドキュメンタリーを見ているようなような文章と作者の想像力に感心させられた。
もちろん、物語が展開していくにつれて様々な鬱屈や心に重荷を背負っている主人公たちの再生の物語としても心温まる勇気をもらえる作品集でもある。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
舞台の一つが田舎の近くで気になり読み進めていたら直木賞受賞ということで
表題作をはじめ5つの短篇で語られるのは[継ぐ]
萩焼、ウミガメ
そこにいた者あった物の思いが姿を変え形を変え継がれ伝わってゆく
人類が犯した最大の罪禍が題材の[祈りの破片]が最も心に -
装丁が美しくて手にとりました。
『科学が、わたしたちをあたたかく包み込んでくれる。』 という帯の言葉にも惹かれました。
五篇のどのお話も美しく、とても丁寧な印象を受けました。
特に、【星隕つ駅逓】は、地元近郊の町のお話だったので、興味深く読みました。
自然、宇宙、生き物、地学、そして、原爆も…。
私たちの生きている周りは科学で包まれているんだと、あらためて知らされました。
深く深く勉強し、研究されている人たちに敬意を表します。
伊代原さんの作品を初めて読みました。
次は、【月まで三キロ】を読もうと思います。
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五つの話からなる短編集。どれも良かった。いつか訪れたい。
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著作者:伊与原新
出版社:新潮社
「藍を継ぐ海」は、自然と人間の繋がりをテーマにした、美しいく感動的な短編集です。科学的な視点を取り入れつつ、文化的な表現で描かれた物語は、読者に深い感銘を与えます。日本の美しい自然を背景に、生命の尊さや時の流れについて考えさせられる一冊です。 -
直木賞受賞作です。
5つの短編それぞれに、地球科学者としての筆者の知識がふんだんに盛り込まれていました。取材や調べ物も、たくさんされたんだろうと思います。
どれも、1話ずつ映画に出来そうな内容で、とってもおもしろかったです。
NHKで放送された「宙わたる教室」もそうでしたが、この5話も、読後がどれも心地良くて、そういう物語が私は好きです。 -
直木賞おめでとうございます!
短編集でそれぞれのお話はつながってないんだけど、どのお話にも昔からの受け継がれていってるものっていうのが根底にあって、どれも素敵なお話だった。
個人的には「宙わたる教室」がとっても良かったので、そちらも読んで欲しい!
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月まで3キロや八月の銀の月に続く短編集。物語は心温まるロマンチックなものでありながら、1つひとつの物語に散りばめられた科学的な現象はロマンが溢れている。これらが縦糸と横糸になって、素敵な作品を織りなしている。
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伊予原新氏の作品を読んだのは初めて。
5つの短編からなるこの本はどれも昔から大切に守られてきた日本の美しい事柄。萩焼きの幻の赤い粘土、絶滅したはずの日本狼、長崎での原爆資料収集に心血を注いだ人物、北海道の僻地で郵便を届けていた駅逓とアイヌ民族との関わり、海亀の産卵を守る人々。
専門的な内容もあるのにどれも読みやすく、読み終えた後は静謐な気持ちになる。
著者プロフィール
伊与原新の作品





