根性論や意志力に頼らない 行動科学が教える 目標達成のルール [Kindle]

  • ディスカヴァー・トゥエンティワン (2024年9月20日発売)
3.24
  • (1)
  • (5)
  • (13)
  • (2)
  • (0)
本棚登録 : 149
感想 : 11
サイトに貼り付ける

本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

Amazon.co.jp ・電子書籍 (305ページ)

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 行動科学から目標設定のノウハウについて語られた本。
    目標設定に際しては、大きな目標を達成するために「大きく考える」のではなく、「小さく考える」というアプローチが重要になるとのことで、人間の認知処理能力の限界を考慮すれば、小さく考えることの方が効果的とのこと。

    (以下学び)
    目標を立てるには、「ファストシステム」(直感的で自動的な思考であり、現在の報酬を重視する傾向)と「スローシステム」(論理的で計画的な思考であり、将来の価値を適切に評価できる)を、適切なタイミングで活用することがポイントになる。普段の行動は自動化された思考と行動を司り、日常生活をスムーズに進めるために不可欠なもので、日々のほとんどの決断はファストシステムによって処理されている。
    しかし、ファストシステムは快適さを優先する短期的な思考であり、便利である反面、望ましくない行動(食事をコントロールしようと思っていてもつい食べ過ぎてしまうなど)をとる原因ともなる。

    具体的に目標を立てるには、目標設定、プランニング、コミットメント、報酬設計、フィードバックという5つの要素を考慮する。

    ① 目標設定→単なる目標の立て方だけでなく、幸福度を高める5つのファクターを考慮することが重要。
    ② プランニング→「シンプル」「実行可能」「習慣化」という3つの要素が重要で、日々のルーティンと目標達成のための行動を連動させることで実現可能性が高まりやすい。
    ③ コミットメント→「コミットメントレフリー」の設定により、目標達成をサポートしつつ、必要に応じてペナルティを課す役割を担う人の指定が述べられている。
    ④ 報酬設計→金銭的インセンティブだけでは限界があり、非金銭的報酬の活用方法についても具体的な提案がなされている。
    ⑤ フィードバック→「タイミング」「具体性」「実行可能性」「個人の努力への注目」という4つの要素を意識する。

  • ナッジについて言葉だけは聞いたことがあったが、初めて何かを知った。これを政策として行ったのはすごい。
    大きいことを成し遂げるのは小さいことの積み重ね
    これを科学的に証明して様々なところに応用する。当たり前のことを証明するって大事。
    今まで先が見えない中でやってきた全てを構成するのが、この小さいことだったな、間違ってなかったな、と思えた。

  • この本のコンセプトは**「大きなことを達成するには、小さく考えることが大切」**というシンプルなものです。
    しかし、その裏には、人間の行動を支配する脳の仕組みが深く関係していることが分かりました。

    私たちの日常生活の大半は、実は無意識のうちに行われています。
    朝目覚めて顔を洗う、靴を履いて出かける、運転する。こうした行動のほとんどを、私たちは特に意識せずにこなしています。
    それは、脳が**「ファストシステム」(直感的・自動的な思考)と「スローシステム」**(意識的・分析的な思考)という2つのシステムを使い分けているからです。

    例えば、初めて車を運転したときのことを思い出してみると、アクセル、ブレーキ、ハンドル操作、周囲の確認……すべてに神経を使い、終わるころにはぐったりする。
    これはスローシステムがフル稼働している状態です。
    しかし、経験を重ねるうちに、こうした操作は意識しなくてもスムーズにできるようになります。これが、ファストシステムの働きです。

    このファストシステムは、私たちの日々の行動をスムーズにするために必要不可欠なものです。
    考えなくても行動できるからこそ、時間を効率的に使うことができます。ただし、その便利さが裏目に出ることもあります。

    「今日は控えめに食べよう」と思っても、気づけば食べ過ぎている。
    「お金を貯めよう」と決意したのに、つい無駄遣いしてしまう。
    「やるべき仕事を片付けよう」と考えていたのに、気づけば後回しになっている。

    こうした問題の多くは、ファストシステムが「いつもの習慣」に引っ張られてしまうからです。つまり、「意志の力だけで自分を変えよう」としても、なかなかうまくいかないのは当然のことなのです。

    では、どうすればいいのか。本書では、**「意志の力に頼らず、環境や仕組みを変えることで、無意識の行動を良い方向に導く」**というアプローチを提案しています。
    たとえば、食事をコントロールしたいなら、目に入る場所にお菓子を置かない。
    貯金を習慣にしたいなら、給料日に自動的に貯蓄口座にお金が移る仕組みを作る。小さな工夫が積み重なり、やがて望ましい行動が当たり前になっていくというわけです。

    「目標達成には強い意志が必要」という考えに縛られがちな自分にとって、この本の考え方はとても腑に落ちました。
    やる気や気合に頼るのではなく、仕組みを作って自然と行動できるようにする。この視点を持つだけで、目標達成へのハードルはぐっと下がるように感じました。

  • 手帳部で「目標」と「振り返り」を皆に見せるのはどうして?「目標」は、どんな内容を選ぶとモチベーションを維持して達成できる?この本に答えがありますよ!そして手帳部をうまく利用して小さくとも前進できるようになりますよ~!

  • 意志力に頼らず、環境や仕組みを活用し、目標達成の確率を高めるには!?ここでも登場、ファストandスローのシステム

  • ■目標
     ●目標選択
      ・ウェルビーイングを高める
     ●目標はひとつ、目標期限を設定
      ・一つの目標に集中して達成感を味わう
      ・そもそもリソースが足りない
      ・定量的に目標を設定する
     ●ステップに分解
      ・タスクを決める
      ・短い作業に分けることで、速度と正確性が向上
    ■プランニング
     ●シンプル
      ・簡単な計画を立てて習慣が定着しやすくなる
     ●実行可能
      ・具体的な日時などを決める
      ・if-thenプランニングが有効
     ●習慣化
      ・環境の変更
      ・ルーティンの変更
    ■コミット
     ●コミットを決める(約束)
      ・未来の自分にコミットする
     ●書き出す
      ・コミットを公にすることで達成の可能性が高まる
     ●レフリーを任命
      ・目標達成率が大幅にあがる
      ・ペナルティなどを設定し、プレッシャーを感じられるようにする
    ■感想
     限られたリソースの活用について具体的に記載されている。
     まず目標設定からどうなれば達成できた状態であるか、そのためにどのような工夫をするかが多く書かれてあり
     できるところから実践していきたいと思う。
     初めの目標設定が非常に重要かと思うので、タスクまで落とし込みと定期的な振り返りを実施していきたい。

  • 3

  •  今までにも目標達成系の本を何冊か読んできたが、特段目新しいところはない。ということはある程度普遍性のある理論だということにもなると思う。特に難解な用語もでず、複雑な論理展開をしているわけではないので分かりやすい。何か目標達成したいと思ったが挫折してしまった経験のある人は本書を参考にするのがよいと思う。あれこれ読まずバランスよく記述してある本書1冊で十分学びになる。一方で、既に目標達成系の本を2〜3冊読んだことのある人にとっては学びは少ないかもしれない。そういう人は今まで学んだ知識を元に目標達成に向けて頑張ってほしい。
     

全9件中 1 - 9件を表示

オウェイン・サービスの作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×