問いの編集力 思考の「はじまり」を探究する [Kindle]

  • ディスカヴァー・トゥエンティワン (2024年9月20日発売)
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  • 前書と同様示唆に富む。松岡さんの本の読み方が参考になる。二色ペンを持ち線を引きメモを書黄,遡り確認し腹落ちして進め。

  • 学んだこと
     問いの土壌を作る
    ・主語的自分と述語的自分。揺るぎない自己は存在するか?人間は多様な側面をもち、場や時に応じて使い分けを行っている。〇〇するのが自分だ。自分は、〇〇な〇〇だ!など自己の内面を多様に定義する。「一貫した自分」という幻想を捨てる。

    問いのタネ
    自分がたくさんあるように、世界もたくさんある。(環世界)多様な自己を用いて、アテンションを操る。アテンションはディテンション(直感的、外事的)とコノテーション(暗黙的、行間を読む)に分けられる。
     理解するとは、ディテンションの裏にあるコノテーションを読み取ることである。伏せられた情報をどう読み取るかが大切。
     人間は意識しないとスキーマに引っ張られ、自分の認知でしか世界を見られない。
     「先行のような邂逅」のような、セレンディピティ(やってくる偶然と迎えに行く理解の出会い)からしか得られない。

    問いの発芽
     知らないことすら知らないことを発見できるのは幸せなこと。
     現代は自分の好奇心は操作されている(アテンションエコノミー)。どのように把握されているかも不明だが、自分の嗜好は把握されている。人間は家畜化している。
     本来好奇心は拡散性(amusing)と収束性(知的好奇心)(interesting)をもつ。この内拡散性好奇心は場当たり的な好奇心であり、世界を探検する原動力となる。世界の探検を通して、自分と出会うのだ。

    問いの結実
     意識したいのは、アーキタイプを辿ること。なぜ、そうなったのか、何がそうさせたのかを知ることはステレオタイプの打破につながる。
     物語は協力な力をもち、理解の助けとなる。①ストーリー(大まかな流れ)②キャラクター③ナレーター(どのような進行か)④シーン(象徴的場面)⑤ワールドモデル(世界観)を意識するとアーキタイプの歴史がよく分かる。
     人間は推論をして、知識を獲得する。重要な概念がアブダクション推論(仮説推論)である。驚きの現実との出会い→なぜそうなるか考え→本当にそうか検証し、繰り返す。このような驚異、探検、信念、検証のプロセスによって、我々は世界を拡張していける

  • 知識をなんでも調べれば入手できる時代。必要なことは、問いを立てることと、入手した情報を具体と抽象を言ったりきたりしながら、自分の中に取り込んで、応用できるようにすることだと思う。

  • ### 『問いの編集力』(安藤昭子)抜書きまとめ

    1. **「問い続けること」の重要性**
     今後、人間にとって最も価値ある活動は「問い続ける」ことになる。正しい問いを立てることは、創造性、探索、サイエンス、そしてイノベーションを生み出す基盤である。人の仕事は、問いを投げかけ、不確実性に向き合うことになるだろう(ケヴィン・ケリーの引用)。

    2. **2種類の好奇心**
    - **拡散的好奇心**:目新しいものに惹かれる。
    - **知的好奇心**:目先の利益にはならないが、深い探求心を持って未知を追求する。

    3. **民主主義の危機**
    危機を招いているのは、インターネットのアルゴリズムによる個別化ではなく、「他者の消滅」と「耳を傾ける能力の欠如」だとビョンチュル・ハンは指摘している。

    4. **テクノロジーと好奇心の関係**
    テクノロジーそのものではなく、人々の好奇心を退化させ、経済社会的なロジックに従わせることが問題だ。無自覚と無関心が、この流れを加速させている。

    5. **知識とノウハウの限界**
    ノウハウだけを学ぶことに終始する人は、自分の立場が誤っているかもしれないという自覚を持てない。ノウハウは小さな改善には寄与するが、大きな変革や飛躍からは遠ざける。

    6. **3つの推論の種類**
    - **演繹**:一般論から個別の結論を導く(数学や法律で活用)。
    - **帰納**:具体的事例から一般法則を見出す(市場分析や機械学習に使用)。
    - **アブダクション**(探求的思考、パース提唱):驚くべき事実を発見し、その事実を説明する仮説を立て、検証することで新たな確証に至る。

    この本では、特に「問いを立てる力」や「探求的思考」が、未来の創造や問題解決に重要であると強調されています。

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