オタク文化とフェミニズム [Kindle]

  • 青土社 (2024年9月24日発売)
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本 ・電子書籍 (225ページ)

感想・レビュー・書評

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  • すごく勉強になった。こうファン活動が資本主義に絡め取られていくの、仕方ないと言えば仕方ないのでけどそれが労働とみなされるレベルにまでなりそれを見込んだマーケティングは違うのではとも思ってしまう。結果的になるのはいいしファンが増えてくれないとコンテンツは寿命になるからな。
    参考 スペクタクルの社会
    メディア文化とジェンダーの政治学

  • メディア論の理論やマルクスの資本論を用いてオタク文化について丁寧に説明している。さらにオタク文化についても本人が推しをしているためか、とても詳しいので、学生が読むよりも教員が読んでオタク文化を知ることができる本である。

  • 1冊を通じて、「女オタクが男性を消費する」ということが、「男性が女性を性的に消費する」のと同じなのか違うのか、それは搾取なのか、それ以外のものがあるのか、それによって女オタクは何を得ているのか、というあたりをいくつかの側面から考えてみようというものになっている。
    「推し活」というのは、やりがい搾取みたいなところあるよねとか、すでに「感情労働」になっているよねというのは、そうだろうなぁと思う。経済と結びつけられて「お金を落とすことがいいオタク」となるのも、そうした企業の論理を内部化しすぎるオタクちょっと待てというのも、なるほどと思う。ここまでの第1部「『推し活』社会と私たち」がいちばん考察としては整理されている。第2部「アイドルたちがみせるもの」は著者なりの男性アイドルと社会との関わり論みたいなところだが、ちょっとばらついているのでは。「ジャニーズ問題と私たち――性加害とファン文化の不幸な関係」は、まとめとしてはわかりやすい。第3部「オタク文化とフェミニズム」は、消費主体の地位を手に入れた女性が、男性アイドルを消費するという構図についての論点整理。ルッキズムについての考察、「男の娘」論も。
    「男性を消費する女オタク」について、フェミニズム研究者が「自分に引きつけて」書いたものをまとめたという点では、興味深い論点のある1冊だと思う。

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著者プロフィール

東京大学大学院情報学環教授。専門はメディアテクノロジーと文化、現代フェミニズム理論、カルチュラルスタディーズなど。著書に『オタク文化とフェミニズム』(青土社)、『メディア文化とジェンダーの政治学』(世界思想社)、編著に『ガールズ・メディア・スタディーズ』(北樹出版)など。

「2024年 『選挙との対話』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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