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本 ・電子書籍 (225ページ)
感想・レビュー・書評
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1冊を通じて、「女オタクが男性を消費する」ということが、「男性が女性を性的に消費する」のと同じなのか違うのか、それは搾取なのか、それ以外のものがあるのか、それによって女オタクは何を得ているのか、というあたりをいくつかの側面から考えてみようというものになっている。
「推し活」というのは、やりがい搾取みたいなところあるよねとか、すでに「感情労働」になっているよねというのは、そうだろうなぁと思う。経済と結びつけられて「お金を落とすことがいいオタク」となるのも、そうした企業の論理を内部化しすぎるオタクちょっと待てというのも、なるほどと思う。ここまでの第1部「『推し活』社会と私たち」がいちばん考察としては整理されている。第2部「アイドルたちがみせるもの」は著者なりの男性アイドルと社会との関わり論みたいなところだが、ちょっとばらついているのでは。「ジャニーズ問題と私たち――性加害とファン文化の不幸な関係」は、まとめとしてはわかりやすい。第3部「オタク文化とフェミニズム」は、消費主体の地位を手に入れた女性が、男性アイドルを消費するという構図についての論点整理。ルッキズムについての考察、「男の娘」論も。
「男性を消費する女オタク」について、フェミニズム研究者が「自分に引きつけて」書いたものをまとめたという点では、興味深い論点のある1冊だと思う。
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著者プロフィール
田中東子の作品





