小説現代 (10 2024 Oct.) (月刊誌)

  • 講談社 (2024年9月21日発売)
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Amazon.co.jp ・雑誌 / ISBN・EAN: 4910047571042

感想・レビュー・書評

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  • 全編公開
    「小説」野﨑まどさん
    初読みの作家さん。
    読書をきっかけに仲良くなった少年2人が
    髭先生という謎の作家先生に出会い、どんどん小説を読み大人になっていく。
    途中からファンタジーになり、呆気にとられたが
    ラストの展開に、ここに繋がっていくのかと
    呆気に取られたことすら忘れてしまった。
    物語の中で「なぜ、小説を読むのか?」
    「なぜ、自分で書いてみようと思わないのか?」と
    出てくる。

    その度に、どんなことを考えて答えてきたのか…
    そんなことを思い出させるお話だった。
    私の場合は本を読むことに疑問を持ったことがないほど、幼い頃から好きなので、趣味に理由がいるのかと、ただただ困惑するだけです。


    「無窮花の咲くまちで 第三話」青波杏さん
    シスターフッドもので大好きな作品。
    不定期掲載なので、掲載が分かるとガッツポーズしてしまう。
    悲しい運命に翻弄されていく日本人と朝鮮人の女の子2人の今後が気になる。
    次回は来年1月とのこと。

    新連載「天領の鷹」村木嵐さん
    一挙200枚掲載ということで読み応えがあった。
    杣の兄弟が飛騨を飛び出し、江戸や蝦夷を開拓していく物語。
    檜の匂いや、冷たい雪の感触が伝わってくるような描写が印象的。展開も早いので次回も楽しみ。

  • #本屋大賞2025候補作

    小説に翻弄された、天才と凡人の話。……と思いきや、2人が喧嘩別れしたその日から、ものがたりは様変わりする。それは現実世界から一変し、女神や秘密の丘などに彩られたSF世界へと変貌を告げるのだ。

    ただ「読む」ということ。なんらアウトプットには繋がらないその行為とは、決して意味のないものなのか。この問いに貫かれた本作の主人公は、月11万の給料でただ「読む」ために食い繋ぐ、凡庸な青年。

    「読む」ことに囚われたからといって、小説家や編集者になれるわけではない。というのもその未来を手にする人間は、ただ「読んで」きただけではなく、才気に、煌めきに溢れた人間だからだ。

    小説家になることも、出版社に勤めることもうまくいかなそうな私は彼にすごぶる感情移入しながら、また、小説家として大成した身でこれを書いている作者に「おまえがわたしをものがたりにするな!」となかば理不尽な憤りをぶつけながら読んでいたため、後半のファンタジー一色な展開にはがっかりした。

    ただ「読む」だけの私の人生に、才気と煌めき溢れたあなたは、どんな救いを見出してくれるのか。読み終わってようやっと、その思いに駆り立てられてページを必死に捲っていたのだと気づいた。
    野﨑さんは私に「内側の煌めきこそが人生のうつくしさだ」と伝えてくれたのだと思う。でもこれは、あくまで「思う」の話。私はもっと、直接的な形で、これからの人生の頼りになるような言葉が欲しかった。

    とはいえ「読む」ことの尊さを通じて、昨今の「どれほど質の高いアウトプットができるか」に重きを置いた社会をまるごと皮肉った本作が本屋大賞を受賞するのは納得できるし、このあたりの嗅覚はさすが野﨑さんだなあと思う。

    小川哲さんの書評は、内容読解としてもそれを受けた感想としても、他とは一線を画す勢いですばらしく、切り取って保存しようと思った。

  • 「小説」を読みたくて買ったのだけど、面白かった。さすが野崎まど。
    途中で外崎が3文字のペンネームの話をした時にまさか!?と思ったけど、そうではなかったな笑いや、そうなのかもしれんけど、それは自由な嘘で良いのかも。
    小説とは?という一つの解釈、とても面白かった!
    物語としても最後の転がすごかったけど、結末は好きだなー

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著者プロフィール

監修・執筆 深田晶恵
個人のお金の相談を受けるファイナンシャルプランナー。(株)生活設計塾クルー取締役。
金融商品や保険商品の販売をせずに、中立的な立場で退職後の生活設計などの相談を受けている。高齢の夫の両親と同居の経験もあり、高齢者へのアドバイスに定評がある。著書は『知識ゼロの私でも! 日本一わかりやすいお金の教科書』(講談社)など多数。

巻頭料理特集 『かんたん! おいしい! 手間いらず 冷凍うどんのすすめ』(上田淳子)
兵庫県神戸市生まれ。辻学園調理技術専門学校の西洋料理研究所職員を経て、渡欧。帰国後は東京のサロン・ド・テでシェフパティシエとして勤務したのち、料理研究家として活動。作りやすい家庭料理レシピが好評。『冷凍お届けごはん』『ひとりでできる 子どもキッチン』(以上、講談社)など著書多数。

週末コラム 『健康になる食生活』東京慈恵会医科大学附属病院 栄養部 濱裕宣・赤石定典
健康と栄養のバランスを大事に、日常生活の中で活かせる食事のノウハウの普及を目指している。栄養のプロの知識と科学に基づいたわかりやすい解説に定評がある。

「2022年 『かんたん年金家計ノート 2023』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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