僕たちの保存 (文春e-book) [Kindle]

  • 文藝春秋 (2024年9月25日発売)
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本 ・電子書籍 (195ページ)

感想・レビュー・書評

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  • あるpodcastで作者が語っていたのの聞いて興味が湧き読んでみる。
    80年代のガジェットや風俗をテーマに50代と70代のおじさんがうろうろしますが懐かしむといった甘い感情はなく、作者の独特な言い回しによって「今」を描写する不思議な作品でした。例えばデジタル化されて何千冊部分の本棚がいらなくなったとか当時いってたのに、今やスマホから「容量が不足」といわれやっぱり場所とるじゃん!と憤ったり、遺品整理中にでてきたMSXパソコンのエピソードが面白い。カセット・テープからプログラムをロードしていたのと、ダサいデザインのコミュニティー・バスのルートがシーケンシャル・アクセスとしてダブって見えたりと当時のオタクの目を通してみた今の課題の炙り出し方が面白い。久しぶりに遠い未来の銀河系の果てでもなく、超古代の魔法の世界でもない「今」の話を読んだ。オタクでもこういう視線を持ち続けられるのは素晴らしい。なにより後ろ向きな懐古調でないのがいい。何も課題は解決していないけど。

  • 忘れちゃいけないすごく大事なことを1番優しい方法で静かに教えてくれる本!長嶋有はなんだかとっても素敵!

  • ふむ

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著者プロフィール

小説家、俳人。「猛スピードで母は」で芥川賞(文春文庫)、『夕子ちゃんの近道』(講談社文庫)で大江健三郎賞、『三の隣は五号室』(中央公論新社)で谷崎潤一郎賞を受賞。近作に『ルーティーンズ』(講談社)。句集に『新装版・ 春のお辞儀』(書肆侃侃房)。その他の著作に『俳句は入門できる』(朝日新書)、『フキンシンちゃん』(エデンコミックス)など。
自選一句「素麺や磔のウルトラセブン」

「2021年 『東京マッハ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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