アンソロジー 料理をつくる人 (創元文芸文庫) [Kindle]

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  • 東京創元社 (2024年11月22日発売)
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感想・レビュー・書評

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  • 西條さんと千早さん以外は初見の作家さんです。

    西條さんの「向日葵の少女」は少しミステリータッチな感じがして、
    ラストが分かるまで展開があまり想像が出来ませんでした。
    少しほろりとさせられるような内容で西條さんらしくて良かったです。

    千早さんの「白い食卓」はこの短編集の中でもかなり短めな作品でしたが、
    サスペンスとミステリーが混ざったような危うさと緊迫さと艶めかしたが
    入り交じっていてゾクゾクとするとうな展開でした。

    繊細な表現力が抜群なので料理を作ったり食べている時の描き方はとてもリアル感があって面白かったです。
    何で彼女はこの男性の所に来たのかと・・・

    悪魔に料理を作ったという新野さんの「メインディッシュを悪魔に」。
    普段あまり読まないジャンルのタイプだったので少し読みにくかったですが、印象深い作品でした。

    大好きな姉が結婚し、そしてその相手には妹がいた。
    その妹との恋愛に発展するのかと思いきや…という織守さんの「対岸の恋」。
    想像とは違った方向に展開していくのが読み応えがあり、
    悲壮感で何とか終わらずに、明日への希望へと繋がった思いになってほっとしました。

    自炊をはじめてから新たな人生を歩んでいくという
    秋永さんの「冷蔵庫で待っている」は、読みながら自分も何か一つずつ
    新しい道が開かれていくような気持ちになっていき、
    ストーリーが進むごとに気分が晴れ晴れとしていきました。
    こんな人生の新しい始め方もありだなと思い、
    料理を作る時の気分が変わりそうな作品でした。

    越谷さんの「夏のキッチン」は小学6年生の翼が
    母の助言を受けながら初めてカレーライスを作るという物語ですが、
    最後まできちんと読まないと思わずスルーしてしまいそうな
    母の存在に後になってほろりとさせられてしまいました。
    男の子のカレーを作っていく様子が実況中継のような
    絶妙な表現で面白く楽しくワクワクしながら進んでいくのがとても良かったです。男の子らしいハツラツさもあり、
    時より見せる切なさも交じり合ってこの作品集の中で一番印象深い作品でした。

    「冷蔵庫で待っている」の中の
    たぶん、料理のように書けばいいのだ。
    つたなくてもいいから、自分のために
    という一文がとても心に残ったので
    いつまでも留めておきたいと思います。

    この本の表紙を見ると心が温まるようなほっこりとした
    作品が詰まっているのかと想像していましたが、
    それとは少し違って辛口のようなスパイスの効いたようなひと味違った短編集でしたが十分に楽しめたのでまた違ったアンソロジーも読んでみたいと思いました。

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著者プロフィール

1964年北海道生まれ。2005年『金春屋ゴメス』で第17回日本ファンタジーノベル大賞を受賞し、デビュー。12年『涅槃の雪』で第18回中山義秀文学賞、15年『まるまるの毬』で第36回吉川英治文学新人賞、21年『心淋し川』で第164回直木賞を受賞。著書に『九十九藤』『ごんたくれ』『猫の傀儡』『銀杏手ならい』『無暁の鈴』『曲亭の家』『秋葉原先留交番ゆうれい付き』『隠居すごろく』など多数。

「2023年 『隠居おてだま』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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