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感想・レビュー・書評
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テレビ離れが叫ばれて久しい時代、年々活況を増している特番がある。M1。最高におもしろい漫才師を決める大会という競技性に加え、局が盛り上げてたくさんの視聴者に届けるバラエティ要素もある。この二極性故に、漫才の採点結果には毎回賛否両論が沸き出てくる。この人達の方がもっと受けていたのに、とか。
正直それまでこういうのは審査員それぞれの個人差的なものだと思っていたのだが、芸人審査員はこんな目線を持って採点していて、その上での審査員差だったのかと驚かされた。芸人がおもしろいと思う芸人、漫才のシステムを解説してくれた事で、お笑いをより多面的に見られるようになった気がする。けれども、それで良かったのかなとも思う。
今まで表面だけ見ていて、ゲハゲハ笑っていた。なんと幸せな時代だったのだろう。この本を読んだ事で、これまでおもしろいと感じつつも漫然に感じていた違和感を、なんだベタか、とか、作っているなぁ、とか、はっきり意識の俎上に載せるような分析的な見方を知ってしまった。正に禁断の果実。漫才を丸裸にする恐ろしさがあった。芸人は教科書として読むべきだと思うし、お笑い好きライト層は読んだら拗らせる危険性があるなと思った本でした。やっぱチラリズムで留めとくのがいいんかもしれない。
最終決戦は22日。普通に、純粋に、ただのライト層として楽しみにしています!詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
M1チャンピオンで審査員、NSC講師のNON STYLE石田さんによる漫才考察本。彼のお笑い芸人としての経験を基に漫才・コンビ・未来・賞レース等について考察・分析した本。
分析のみならず、相方井上さんとの関係性などもあり、単に漫才の教科書だけでない読み物としての楽しさもあります。
漫才考察本といえば、同時期に発売された令和ロマン高比良くるまさんによる『漫才過剰考察』もあります。両方読めば現代漫才についての知識は過不足なく得られるでしょう。
今はテレビが以前ほどの影響力を持たなくなってきていますが、その中でもお笑い芸人さんたちの活躍は目を見張るものがあります。
様々な媒体があれど、その核となるのはネタであることは変わりないと思います。お笑い好きはもちろん、普段あまりお笑いに触れない方も新たな一面をしれる良い機会になると思います。 -
漫才師はこんなに多角的に漫才を考えているのかと驚いた。
井上さんの事故前後のエピソードも人間味があって面白い。
ノンスタイルを知らない人でも楽しめる本だと思いました。 -
2025年1月①
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お笑い分析家として知られ、またM-1のチャンピオンでもある石田さんが人を笑わせるために苦労されたことや、どうやってウケを取るかを色々と書いてくれている本。面白すぎて2日で読み切ってしまった。
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漫才に人生を賭けた真面目な男の分析本。
こういう人に審査をしてもらえるのが1番良いかもね。何故か人間くさい井上の方の好感度が上がりました。 -
お笑い(特に漫才)を見る上で、もう一つ視点が欲しいと感じたので(あと三連単ガチ予想したかったので)購入。
非常に興味深い一冊。
日々お笑いを実践されているプロの芸人さんが、持論を語るとなると、どうしてもハイコンテクストになってしまうところ、ライト層にもわかりやすく書かれていました。
お笑いを見る立場として、「たしかに!」と気付きを得た場面や、「やっぱりそうだよな!」と思う場面もあり、まさに答え合わせの感覚でした。
これを読んだ上で、色んな漫才(それこそ今週末のM-1!)を見たら新しい発見がありそうで今からワクワクです。
見る側はもちろん、作る側にとっても有益な本だと思います。
漫才を作るときに参考にしたい。
自分も、学年行事や同窓会で数回、人前で漫才をしたことがあるのですが(しかもNON STYLEさんのネタをベースに)、
ここまで考えて作ってなかったな〜と反省。
ネタを作るとき、どうしても自分起点で面白いことを探してしまいますが、漫才の基本を意識しながら、作ってみようかなと思いました。
そもそもやる機会が無いですが……
あと三連単予想できそうに無いです。ずっと悩んでます(笑) -
自称つまらない人間であり、だからこそ面白い漫才を追求し、どうすればもっとウケるのかを探し続けられたNON STYLE石田氏著。ナイツ塙氏同様に、お笑いをアカデミックに分析していることはもちろん、相対的に見ると漫才に特化していた。
「漫才の原点は偶然の立ち話」というワードに象徴されるように、お笑いを科学しつつ、僕ら一般読者にわかりやすいような表現のチョイスも天才的だった。
石田さんが凡人とは思わないが、凡人は自分が凡であることを知り、磨き上げることが重要だと再認識させられた。 -
読めば絶対、年末のM-1が楽しくなる、採点のモヤモヤもなく、ネタに集中できるはず!
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自分のことを面白く無いと思っている石田さんだからこその分析や方程式はとても面白い。
それを文章としてわかりやすく本に落とし込んでくれているので、お笑いを目指す人にとっては車輪の再発明をすることなく、土台は理解した上で笑いを一歩先に進めることが出来るのではないでしょうか。
お笑いの教科書ですね。
この本を読んで石田さんのNSCの講師は本当に適任だと思いました。
今後のご活躍に期待しております。