ゆびさきに魔法 (文春e-book) [Kindle]

  • 文藝春秋 (2024年11月25日発売)
4.00
  • (12)
  • (20)
  • (8)
  • (2)
  • (0)
本棚登録 : 249
感想 : 20
サイトに貼り付ける

本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

Amazon.co.jp ・電子書籍 (357ページ)

みんなの感想まとめ

専門職としての魅力が詰まった物語が展開され、登場人物たちの人間味が感じられる作品です。ネイリストとしての仕事の華やかさだけでなく、施術に必要な思いやりや集中力が描かれ、読者はその地道な努力に共感を覚え...

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • しをんさんの、お仕事シリーズのひとつと考えていいのだろう、やはり専門職の、いわゆる職人気質の登場人物たちがとてもとても魅力的に描かれている。

    にしても、職場の隣に、しかも住居の下に馴染みの美味しい居酒屋があるなんて、極楽以外の環境じゃないよなあ、と羨ましく思う。

    素人に全くわからないレベルの化学は、文字通り魔法なのだということ。

    「爪という身近な蛋白質が、ネイルの魔法でドラマティックな舞台に変わる。」

    これはもう、しをんさんの描くラブストーリーにほかならない。
    スタンダールの言うところの「感嘆、自問、希望、恋の発生、第一の結晶作用、疑惑、第二の結晶作用」をまさに通っていく道だ。


    よろしくおなしゃす、の大沢さんがとても良い。

    その大沢が星野に弟子入りし、ふたりの見事なチームワークを見て「ぐぬぬ」となる月島さんも人間味があってとてもいい。

    ラストでお正月に店を開けたら大沢が帰ってきていて掃除機をかけているシーンにはちょっとほろっとしてしまった。

  • 最近自分でマニキュアを塗るようになり、書店でこの本をみつけて即購入。

    ネイリストのお仕事は華やかなイメージがありましたが、お客さんとの話や、爪の状態に合わせて施術をする必要があり、集中力や思いやりの気持ちが必要な地道な仕事なのだと思いました。

    主人公の月島が、大沢に出会ったことで、人として成長していくのを感じ、自分も一所懸命に働かないとな!と思わされました。

    ネイルデザインの才能が溢れる同期の星野のことが羨ましく、自分はどうして星野のようになれないのかと劣等感を抱く月島の気持ちが痛いほどよく分かりました。

    「隣の芝生は青い」理論ではなく、「青い鳥」理論が大事である、という内容が書かれており、なるほどと思いました。
    大切なものは自分の中にあるということ。月島は月島で施術の正確さや丁寧さを育てていけばいい。自分と他人を比べてもしょうがない、自分の良さを伸ばしていけばいい。

    この本を読むと前向きな気持ちになります。
    三浦しをんさんの本は初めて読みましたが、面白かったので、他の本も読んでみたいです。

    今日も素敵な本との出会いに感謝します。
    ありがとうございました。

  • キラキラしてる表紙に惹かれて購入しました。
    ネイリストのお仕事小説。
    専門用語多くてイメージしにくいところもあったけど、仕事が好きで誇りを持っている方は素敵ですね。
    ムードメーカーで頑張り屋さんの星絵ちゃんが好きです。
    星絵ちゃんお気に入りの大将の作る魚の煮付け食べたいな〜

  • ネイリストが主人公のお仕事小説。
    おもしろかったー!!
    大好きな作品がまた増えました。

    商店街にあるネイルショップ「月と星」。
    店主の月島と新米スタッフの星絵ちゃん二人も、お隣の呑み屋店主との気安い関係もすごく好きでした。
    出来ることならどちらのお店も通いたい。

    「ネイリスト」という職業についてほとんど知らなかったので、驚きの連続でした。
    こんなに奥深い世界だったとは…!
    それに「何て素敵なお仕事なんだろう」って思いました。

    登場人物が魅力的で、彼女たちが繰り広げる日常がめちゃくちゃ楽しくて愛おしい。
    真摯に仕事に向き合う姿は、どちらも素敵。
    お仕事小説として、成長物語として面白いだけじゃない作品。
    心理描写にも引き込まれ、夢中で読み終えてしまいました。

    しをんワールドも最高!言葉のセレクトが絶妙で心をくすぐられました。

    もうひとつ。
    爪にコンプレックスがある人にとっては、心を軽くしてくれるかもしれない作品。
    私は本作を読んで、諦めてたネイルショップに1度行ってみようかな…と前向きに思えました。
    読めて良かった。
    おすすめですー!!

  • ホログラムが綺麗な表紙と帯に惹かれて即購入。
    とても良い話だった!
    ネイルは自分の手元を見る度にウキウキした気持ちになるから、私も大好き。
    あるネイリストさんの日常を覗いているようで、何だかほっこりとした気持ちになった。
    また来月サロンに行くのが楽しみ!

  • 「楽しく尊重しあいながら仕事をする女性を書いてみたかった」という三浦しをんさんのインタビューを見かけて、読んでみたくなってしまった。

    とくに大きなピンチや事件は起こらないけれど、ひたすらまっとうに職人仕事に邁進し続ける登場人物たちの姿が気持ち良い。

    ふだん自分で単色ネイルを塗るくらいのわたしも、まんまとネイルサロンへ行ってみたくなったし、「あと一杯」は絶対に近所にあってほしい!

  • もはや Amazonで買えないものはない時代ではあるが コスパとかタイパとか言ってる人にも 人との触れ合いとか よりそいとかの大切さを知って欲しいと思った

    しをんさんのこんな優しいおはなしもネイリストさんとの穏やかな美しい時間から生まれていたのね

  • 居酒屋のランチの会計レジで
    おばちゃんの指に可愛いネイルが。
    「可愛いネイルねえ~。」
    「娘がしてくれたの。派手だから、恥ずかしいーって言ったんだけど、」
    「良いわよ!素敵よ!」
    「お嬢さんセンス良いわぁ」


    たワイもない会話で、今夜どこぞで母と娘の笑い声があるかなあ~。
    と思うのもアリよね。

  • わたしも、自分の仕事が誇らしくなりました。どんな仕事もきっとどこかで誰かを幸せにしたり、笑顔にしたりできるんだと思います。

  • キラキラ光るホログラムの表紙がかわいい。

    中身は平和なストーリーで安心して読めた。
    ネイルって頻繁に目に入るものだから、お気に入りのデザインを施してもらったら確かにテンション上がるよなあ。
    ネイルサロンに行ってみたくなる一冊だった。

  • しをんさんらしい、面白い表現あり。前向きな感じの物語で面白かった。

  • 目を引くだけが才能ではない。

    主人公月島は同期星野の才能に引け目や嫉妬を感じ続けているが、彼女自身もネイルの正確さや丁寧さに秀でており、それは周囲からも評価されているし、顧客もついている。それでもなお自分と星野との比較がやめられない。目立つ才能に対して抱く感情とその後ろめたさに共感しつつ読み進めた。
    ずっと良い態度でいつづける優等生よりもちょっと頑張った不良の方が褒められるのと少し似ている気がする。目立つ方が褒めやすいのだ。
    煌びやかな才能に憧れる。勝手に比較して、あちらは天才、自分は凡才だなと勝手に卑下する。
    本当にそうだろうか?たとえば信頼獲得には、地味で愚直な才能が必要になる。信頼とは一朝一夕で得られるものではなく、日々の地道な積み重ねが必要なのだ。月島にはその地味な才能がある。丁寧で正確な施術がリピーターを生み、また顧客に寄り添う真摯な対応があって、「月と星」は商店街に根付くネイルサロンになっていった。星絵ちゃんや星野のセンスに憧れる月島だが、星絵ちゃんも星野も月島のようにはなれまい。重要なのは、ないものねだりをしつづけるより、自分がもつ才能に気づき、理解し、自分なりに活用していくことなのだろう。

    ダイヤモンドをもつ天才に憧れるすべての「凡才」。彼らのまだ見ぬ原石に光を当てて、その可能性を示唆してくれる小説だった。

  • ネイルの奥深さに少し触れることが出来ました。

  • ネイリストのイメージが変わりました。

  • とても気持ちの良いお仕事小説。派手ではなくても、小さなことに迷っても、こんなふうに一日一日を送れたらいいのにな。
    ここ数年、訳あってネイルから離れていたのだけれど、久しぶりに施してみようかなと前向きな気持ちにもなれました。

  • 一級のお仕事小説。

    縁のない業界のお話ですが、作者の読ませ方がうまいのか、なかなかに面白くありました。

    ネイルって、単なるおしゃれだけでなく健康にも寄与しているのだな。

  • タイトルの意味、そして煌びやかな表紙、ネイリストのお仕事小説。本文にもあったが、ネイルに対して多少なりともあった偏見が拭えたように思う。化粧とともに女性は指先の魔法により、生活感が変わったり勇気が沸いたりとするがわかった。そして、ネイリストは指先を飾るだけでなく爪の健康や手入れも気を配っている緻密な心使いも含めた仕事に感銘。「星と月」と店長と星絵のコンビも絶妙で客に対する暖かい思いが伝わる。居酒屋「あと一杯」の魚の煮付けも食べてみたい。「星と月」も「あと一杯」の大将のプロ意識に感銘した。

全17件中 1 - 17件を表示

著者プロフィール

1976年東京生まれ。2000年『格闘する者に○』で、デビュー。06年『まほろ駅前多田便利軒』で「直木賞」、12年『舟を編む』で「本屋大賞」、15年『あの家に暮らす四人の女』で「織田作之助賞」、18年『ののはな通信』で「島清恋愛文学賞」19年に「河合隼雄物語賞」、同年『愛なき世界』で「日本植物学会賞特別賞」を受賞する。その他小説に、『風が強く吹いている』『光』『神去なあなあ日常』『きみはポラリス』、エッセイ集に『乙女なげやり』『のっけから失礼します』『好きになってしまいました。』等がある。

三浦しをんの作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×