パンとペンの事件簿 (幻冬舎単行本) [Kindle]

  • 幻冬舎 (2024年11月20日発売)
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感想・レビュー・書評

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  • あらすじも読まず、audibleで聴きはじめ、大正時代!社会主義?!わからん!となったのもつかの間、岡部さんの軽妙なナレーションと売文社の個性豊かな面々、奇想天外なストーリー展開に、主人公の”ぼく”同様、あっという間に引き込まれ聴き終わった。

    大逆事件後の弾圧の時代、不遇の社会主義者たちの糊口を凌ぐべく売文社を立ち上げた堺さんこと堺利彦は実在の人物だそう。温厚で包容力があり常にユーモアを持ってことに当たる姿は非常に魅力的で、黒岩比佐子著の『パンとペン』もぜひ読みたい。

    大正デモクラシーでは、自由主義、男女同権が叫ばれたが、意味するところは、搾取されるするものとされるものとの垣根を取り払い、弱いものに寄り添うことを目指す、ということ。おりしもジェンダー平等、フェアトレード、環境を考えた企業経営などSDGsを掲げ、世界が手を取り合って持続可能な社会の実現を目指す今、まさに世界規模のデモクラシーの時代、と言えそう。

  • audible 。時は明治、権力の弾圧吹き荒れる中で「売文社」を運営してユーモアたっぷりに闘う堺利彦たち。大逆事件(おお逆さま事件)後の社会主義冬の時代に、知恵と文筆で活動した強者らが縦横無尽に躍動する感動の物語。
    いやあ、柳広司の本はいつも背中を伸ばしてくれる。
    amazonで黒岩比佐子の中古本「パンとペン」を見つけたので即注文してしもうた。

  • とても面白かったです。

    言葉が適切で無駄がない。ので、素直に入り込めます。
    主張しすぎない程度に史実が織り込まれているようで、明治時代の雰囲気がとても伝わってきました。

    この本を登録するにあたり、検索をかけたところ、モデルになったのか?と思われる本がヒット。そちらもいずれ読んでみたいと思います。
    黒岩比佐子『パンとペン 社会主義者・堺利彦と売文社の闘い』

  • ツバキ文具店シリーズ3冊読んだ後、代筆つながり?を意識したわけではないけど、代筆と書かれて、単にきれいな字で書くというもんでなく、本人になりきり、もしくは本人に代わり伝達する業。そんなことができるのは多才、思慮深く、表現力に長けてなければならず、現代でも申請書書きますとか、就活から退職まで代行業につながるものとか脱線気味に読み始め。実に痛快読み物。特に裁判シーンの言い回し。こんな風に語ることができたらと言葉つながりは特に面白い読み物。大正デモクラシー、夏目漱石、明治から大正、戦争に向かう日本政治の世界に「そうだったのね」とノンフィクションのように読めた。2025年の世界を見れば、格差拡大に独裁、、今こそ出てくる社会主義が必要じゃないって感じ、著者からの日本への皮肉と反語と諧謔のオンパレードをやっているのであってほしい。その意味で多くの高給生活ではないと思う人に読んでほしい。
    面白いだか、一冊で長編なのかな?200頁越えるが最近は文字も大きいし、短編のようでした。

  • 大正時代に実在した売文社という会社で社会主義を提唱した堺利彦という人物をモチーフにした1冊。今で言うマスコミの走りのような感じ。言葉、文章を生業にするってカッコいい。

  • 日常ミステリーかと思いきや史実に即した謎解きでだった。
    当時の歴史に疎いが読み物としては楽しめた。
    登場人物達の時代背景や今後の未来はあまり良いものではなさそうだし、現代人でも社会主義は…と言葉のみ見て敬遠するきらいがあるが、そんな暗さを出さない明るい雰囲気の内容だったと思う。
    暗号解読も女性人身売買も裁判もテンポ良く、おすすめされて読んだが、自分では選ばないだろうジャンルの本が読めて良かった。
    ネットで調べたら山﨑今朝弥の上半身裸で腕組みした写真があった。なるほど史実に基づいてる。

    p.226 、8行目から堺さんの言葉は今の世の中に対しての警鐘でもあるかのようで、時代は繰り返すのかなと怖くなった。

  • 3/6読了。

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著者プロフィール

一九六七年生まれ。二〇〇一年『贋作『坊っちゃん』殺人事件』で第十二回朝日新人文学賞受賞。〇八年に刊行した『ジョーカー・ゲーム』で吉川英治文学新人賞と日本推理作家協会賞をダブル受賞。他の著書に『象は忘れない』『風神雷神』『二度読んだ本を三度読む』『太平洋食堂』『アンブレイカブル』などがある。

「2022年 『はじまりの島』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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