ドヴォルザークに染まるころ [Kindle]

  • 光文社 (2024年11月20日発売)
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感想・レビュー・書評

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  •  回想シーンで始まる冒頭からセンセーショナルだった。それ以降は、小さなまちで、それぞれが抱える、このままで良いのかな?という違和感が、連作になって流れてゆく。自分には経験のない境遇であるけれど、それぞれが胸を燻らせる思いが伝わってきた。ラストでは、あの冒頭まで綺麗に回収されて満足感いっぱいになった。町田先生のお話、全部読みたい。

  • 町田そのこさんだったから期待値は高かったのだけど、今までのお話ほどはハマらなかったかな。
    閉塞感のある町が舞台ということで、『夜空に泳ぐ〜』と似た感じかなって思うのもあり、それを含めても『夜空に泳ぐ〜』の方が好き。登場人物の歳はこっちのが近いんだけどね。
    強いて言うならレスに悩む佳代子さんのお話が1番グサグサ来た……。

  • 前半が身につまされるような、想像範囲の苦い気分(実体験はないが)をたたえて読み続けることになった。「置かれた場所で咲きなさい」をどう捉えていくか?なんとか読み続け、女性が代わりエピローグはさすがの展開。貴しことが起こるなんてのは過ぎる時間の中で、裏切りと取るか、裏切りはいつまで裏切りか、個々の持ち様に影響しそうで自モノに勝れないかもしれない

  • もう、既視感マックスって悪い意味じゃなくて。
    ウチの田舎、義家族のあるある満載。共感度マックス。

    一推しは「クロコンドルの集落で」かな。
    「わたしたちの祭り」も良かったです。

    かなた町って、にこの地元の、たぶん近く。
    方言が懐かしい。そんで類の母親連中のもつ価値観も。

  • いきなりの言葉から始まる。舞台は廃校が決まった小学校。小さな小学校だが、どれだけの子供たちが卒業して行ったのだろう。校舎に様々な想いを残して最後の秋祭りになる。それぞれが過去や現在の複雑な感情を抱え特別な最後の1日を過ごす。そしてドヴォルザークの家路が鳴り帰宅を促す。この1日を通して色んな人が希望をもち明日に向かって生きていく。

  • 北九州の小さな町。100年の歴史に幕を卸し廃校予定の小学校で秋祭りを兼ねて廃校を偲ぶイベントが行われる。その1日を4人の卒業生の女性と在校生の女の子の視点で語られる5編。この町で生まれ育って生きてきた主婦、離婚して町を出た女性など様々な思いが交錯する。無関心な夫、W不倫などドロドロとした局面があり、特に冒頭の群先生のショッキングな場面が最後の話に尾を引く。麦ちゃんの校歌をやり直そうという思いに、境遇とは裏腹に勇気が伺えて頼もしかった。ドヴォルザークの曲と共に各章の終わりを告げる構成に焦燥感を覚える。

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著者プロフィール

町田そのこ
一九八〇年生まれ。福岡県在住。
「カメルーンの青い魚」で、第15回「女による女のためのR-18文学賞」大賞を受賞。二〇一七年に同作を含む『夜空に泳ぐチョコレートグラミー』でデビュー。他の著作に「コンビニ兄弟―テンダネス門司港こがね村店―」シリーズ(新潮社)、『うつくしが丘の不幸の家』(東京創元社)などがある。本作で二〇二一年本屋大賞を受賞。
近著に『星を掬う』(中央公論新社)、『宙ごはん』 (小学館)、『あなたはここにいなくとも』(新潮社)。

「2023年 『52ヘルツのクジラたち』 で使われていた紹介文から引用しています。」

町田そのこの作品

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