宝石の国(13) (アフタヌーンコミックス) [Kindle]

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  • 講談社 (2024年11月21日発売)
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AIがまとめたこの本の要点

プレミアム

みんなの感想まとめ

物語は、無邪気で愛されたがりのフォスフォフィライトが、戦いを通じて成長し、仲間との絆や別れを経験する過程を描いています。最終巻では、登場人物がほぼ姿を消すという斬新な展開があり、読者に強い印象を与えま...

感想・レビュー・書評

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  • 終わった……。
    巻を追うごとにフォスは知性と力を備えていき、併せて苦しみが増していく。人間という存在そのものが世界を濁らせ、悲しみと怒りをまき散らす諸悪の根源であるならば、そのすべてを消し去ることこそが最善なのだと、確固たる信念を持って物語は進んでいく。ただひたすらに救いを求めて。
    苦難の道だった。フォスがどれだけ努力しようとも彼のことを理解してくれる者はついぞ現れず、何万年もの痛みと孤独を味わった末、ようやく可能となったのは宝石と月人を抹消するということだけ。いわばそれは悟りへの道であり、消滅することを望む者たちを消し去ってやるのだからフォスの行いは「救い」そのものと言えるだろう。だが虚しい。薄情で独りよがりで狡猾な者たちが何万年もお気楽に生き、生きることに飽き消滅を望むようになったとき、ようやくフォスは神となって顕現し、彼らを”救う”。それは翻って人間以外の生物を救うことであり、他者の幸福を願うことだ。
    辛いのは、フォス自身が救われないことである。宝石の兄弟たちと幸せになりたかった彼は、しかし承認されたいという思いが人一倍強かったがために苦難の道を歩まざる得なくなる。その結果、ひとりぼっちになりながらも彼は”成し遂げた”。だがフォスが救われないことでやはり宝石たちに対する憎悪は消えず、言いようの無い虚しさを私は覚えてしまう。それはきっと私が煩悩を捨て切れていない証拠なのだと思うけど。
    そのように宝石たちを通して人間の、もっと正確に言うのであれば他人という存在がいることによって生じる人間の苦しみを描いた末、最終巻において「フォス自身の救い」がようやく訪れる。
    自我への執着を極限までそぎ落とし、神となったフォス。新たな生物「石」と出会い、「自分自身が消滅すること」こそが石たちを純粋なまま生き延びさせていく唯一の方法なのだという境地に達するのだ。
    人間であり神であるフォスは星が太陽に飲み込まれることでついに消滅し、最後にふっと心が「軽く」なる。何のしこりもなく、ただ「兄弟たちに会いたい」と言う彼の表情は穏やかで、やっとフォス自身の救いとなったのだと安心した気持ちになった。他の誰より脆く弱かったフォスはここに来て初めて自身の「軽さ」を受け入れたのだ。南無さん。
    しかして消滅の瞬間、フォスの純粋性のみを凝縮したかけらが宇宙船とともに旅立つことで、フォスの核となる部分は残り、石たちの末っ子として生きていく。
    それはややもすると輪廻を象徴しているように見えなくもない。だが「誰かの気分を明るくしているといいな」という彼の言葉によって、他者の光を追い求めたフォスとは違う、内なる光を輝かせることに価値を見出す、新たな光の誕生を見た気がした。
    よかったねフォス、もう独りじゃないね。

  • 一度本誌で読んだ上での再読、とにかく内容が難しいので一気読み推奨の漫画。

    人間が持つ欲からの解脱を恐らくテーマにしていて、宝石人間である「フォスフォフィライト」が、人間を内包しない純粋な知的生命体である。鉱物と出会うものの彼らは人間と同じような感性を持ち合わせていなくて純粋な存在だった。

    そんな中、人間という欲の深い生き物の遺伝子を残さないために「フォスフォフィライト」は死を選ぶものの
    人間部分が内包されていない、純度100%の宝石の結晶となり、みんなの末っ子として、また転生した「フォスフォフィライト」がやっと平和な楽園で生涯を過ごすことになるというラスト。

    宝石人間だった時の「フォスフォフィライト」は自分の体が欠けることに対して、とても神経質だったけどもラストシーンでは何事も無かったように、さも普通の事のように流しているのが印象的。

    面白いというより、壮大な物語の終わりに立ち会えたことが誇らしい。

  • 最後はまさかの登場人物がほぼ出てこなくなるところはある意味斬新。

  • アニメ一挙放送を観て続きが気になり全巻買いました

    なんだろう…感想が難しいが……
    フォスが復讐に燃えてる間は辛かったけど、それ以降の展開には納得できた
    私は、フォスは解脱したのだと思う
    わたくしも他者も時間もないところへ…
    だから最後の行き着く先は草も水もない場所でも同じだったはず
    未来へのプラスイメージとしてお花畑だっただけで
    そもそも石に水も草もいらないし
    フォスは幸せも不安もない場所へと至った
    それに対して良い悪いは言えないけど、私も行けるならそれを選ぶから、納得する

    しかしアニメよかったので2期ないのかな〜って思ってたけど、なるほどこれは無理だ
    月に行ってからの展開は特に人を選ぶ
    今時これはアニメ化できない
    海外ウケが絶望的
    仏教の素養がないと理解できないどころか受け入れられないのでは?

  • 良作。この作品に出会えて幸せだと、心の底から思える作品です。
    無邪気で愛されたがりのフォスフォフィライトから始まった物語が、戦うことを許され、邪魔だと言われながらも前に進み、相棒を何度も失い、闇落ち、裏切りのようにも見える決別、かつての仲間との戦闘、そして最終回。
    こう表現してしまうと、バトルマンガのありきたりになってしまうのが悲しいけれど、作者の力量と繊細な描写で泣かされた。何度も息抜きで読んでたはずのマンガげ心が締め付けられた。そしてこの最終回って…。素敵すぎるよ。
    人型だけど人じゃない設定だからこと向かえられる最後。でも、けっして絶望じゃない。
    フォスが最後まで末っ子で、愛されていて、みんなが大好きで仕方なかったって伝わってくる。
    涙が止まらない。

  • 1人も悪い奴が出てこなくて、すごい話だった。
    5/26

  • 最初読んだ時は全く予想していなかった壮大な物語だった。
    仏教の知識が全くなかったので、100%味わうことは出来なかったが、考察ブログなどを読みながら自分なりに咀嚼した。
    108話で終えたのも美しく、改めて1からもう一度通して読み直したい作品。

  • 人類を祖にした生物が消滅する為の贄になったフォス、『特別になりたい』という願いがこういう形で叶ったのは皮肉だけれどある意味誰よりも役に立ったといえるかも。連載中はフォス以外の宝石達もまあまあ身勝手だろと思ったけど、完結した今となってはそれぞれ出来る事をしたんだろなと穏やかな目でみれます。これがハッピーエンドかはわからないけれど次作に期待。

  • 美しい物語 感想を語るのが勿体無い

  • 結構読んだ。もう完結したんだっけ?
    この巻じゃないかも。宝石の国全部の感想。
    鬱である。
    最初のキラキラを返して……
    白色矮星?!太陽爆発?無くなってるじゃんうわー

  • 完結

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著者プロフィール

投稿作『虫と歌』でアフタヌーン2006年夏の四季大賞受賞後、『星の恋人』でデビュー。初の作品集『虫と歌 市川春子作品集』が第14回手塚治虫文化賞 新生賞受賞。2作目の『25時のバカンス 市川春子作品集2』がマンガ大賞2012の5位に選ばれる。両作品ともに、市川氏本人が単行本の装丁を手がけている。

「2016年 『宝石の国(6)限定版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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