逃亡するガール [Kindle]

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  • U-NEXT (2024年11月20日発売)
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感想・レビュー・書評

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  • お見事です。これまでの作品でも匿名の地方都市として出身地の富山をはっきりと書くことを避けていたのだろうかと思っていたら満を持して富山ではないと成立しない今回の物語。

    親世代との価値観のズレがありつつ、田舎の洗脳に染まった同級生の登場で価値観=単純な世代格差ではないことを示したり上手い。
    母親が地方で女性が生きづらいことではなく、女性が都会に出て行く事=問題としてとらえてるところとか、恋愛体質が古いみたいなのもわかる。近年の社会課題を誰かの物語としてうまく凝縮してる。

    世界に広げるとパレスチナ問題も触れられていて、(ちなみに前半のスタバが好きという箇所を読んでモヤッとしたのでイスラエル支援企業のボイコットについても書いてくれて良かった。山内さんの小説には昔から好きなものでよくスタバが出て来るので近年ご自身がパレスチナ問題で葛藤されたのかなと感じた)社会課題を純粋な気持ちで見た時の反応とか素直に沁みて来た。一方で近くの被災地に意識がなかったり、外の世界に興味を持たない生き方(県内で普通に生きることを優先する親世代)や知ることで人生が豊かになること。美羽と比奈の将来が楽しみ

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著者プロフィール

1980年富山県生まれ。2008年に「女による女のためのR-18文学賞」読者賞を受賞。2012年、受賞作を含む連作短編集『ここは退屈迎えに来て』を刊行しデビュー。その他の著書に『アズミ・ハルコは行方不明』『あのこは貴族』『選んだ孤独はよい孤独』『一心同体だった』『すべてのことはメッセージ 小説ユーミン』『マリリン・トールド・ミー』など。

「2024年 『逃亡するガール』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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