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感想・レビュー・書評
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講談社現代新書の”「戦前」の正体 愛国と神話の日本近現代史”で
独特の視点で近現代史を伝えてくれた著者が、またやってくれた。
フィールドワークというのか、日本を、世界を足で稼いで、
記念碑やら博物館を見て回って、現地の人との会話も含め、
肌感覚を伝えてくれている。
面白い。
「国威発揚」「プロパガンダ」というと、時の為政者が、
自分らの正当性を国民に知らしめるために、あるいは煽動するために
金をかけるもの、というイメージがある。
今回著者が見て回ったものの多くはそれではない。
一般市民が、自分(ら)の意志で、自分の金で、あるいは金を募って、
勝手に作ったものが結構ある。
そして、それが地元の人たちに根付いているものも多い。
タクシーの運転手がそこに行くのを拒否したり、ここに行けと勧めたり、、、
まあ、これももう一つ掘り下げて考えれば、
時の政府のプロパガンダを真に受けた人たちが、
自分の意志と思い込んで作った、ものもあるような気はするが、、、
いずれにしても、これが現実であるのは事実。
昨今の価値観では否定されるべきものも現存しているのだ。
否定されるべき、といえば、著者がこだわった「大東亜戦争」。
戦後アメリカによってこの言葉は否定され、
太平洋戦争と言い直され、今は「アジア太平洋戦争」というのだそうだ。
が、昭和16-20年の日本人はみな「大東亜戦争」と呼んだのは間違いない。
アジアを欧米列強から救う、という政府のプロパガンダのもとに。
これもまた事実である。
私も「大東亜戦争」と言い続けたい。
【第一部】個人崇拝の最前線
1章 トランプの本拠地に潜入する 米国/トランプタワー
2章 親日台湾の新たな「聖地」 台湾/紅毛港保安堂
3章 安倍晋三は神となった 長野/安倍神像神社
4章 世界一の巨像を求めて インド/統一の像
5章 忘れられた連合艦隊司令長官 佐賀/陶山神社
6章 「大逆」の汚名は消えない 山口/向山文庫
【第二部】「われわれ」の系譜学
7章 わが故郷の靖国神社 大阪/伴林氏神社
8章 消費される軍神たち 大分/広瀬神社 他
9章 自衛隊資料館の苦悩 福岡/久留米駐屯地広報資料館
10章 「日の丸校長」の神武天皇像 高知/旧繁藤小学校
11章 旧皇居に泊まりに行く 奈良/HOTEL賀名生旧皇居
12章 「ナチス聖杯城」の真実 ドイツ/ヴェーヴェルスブルク城
13章 感動を呼び起こす星条旗 米国/マクヘンリー砦
【第三部】燃え上がる国境地帯
14章 祖国は敵を求めた ドイツ/ニーダーヴァルト記念碑
15章 「保守の島」の運転手たち 沖縄/尖閣神社
16章 観光資源としての北方領土 北海道/根室市役所
17章 「歴史戦」の最前線へ 長崎/軍艦島 他
18章 差別的煽情の果てに 京都府/靖国寺
19章 竹島より熱烈な「島内紛争」 島根県/隠岐諸島
20章 エンタメ化する国境 インド/アタリ・ワガ国境、中国/丹東
【第四部】記念碑という戦場
21章 もうひとつの「八紘一宇の塔」 兵庫/みどりの塔
22章 東の靖国、西の護国塔 静岡/可睡齋
23章 よみがえった「一億の号泣」碑 岩手/鳥谷崎神社 他
24章 隠された郷土の偉人たち 秋田/秋田県民歌碑
25章 コンクリートの軍人群像 愛知/中之院
26章 ムッソリーニの生家を訪ねて イタリア/プレダッピオ
27章 記念碑は呼吸している ベトナム/マケイン撃墜記念碑
28章 けっして忘れたわけではない フィリピン/メモラーレ・マニラ1945
【第五部】熱狂と利害の狭間
29章 戦時下の温泉報国をたどる 和歌山/湯の峰温泉 他
30章 発泡スチロール製の神武天皇像 岡山/高島行宮遺阯碑
31章 軍隊を求める地方の声 新潟/白壁兵舎広報史料館
32章 コスプレ乃木大将の軍事博物館 栃木/戦争博物館
33章 「救国おかきや」の本物志向 兵庫/皇三重塔
34章 右翼民族派を駆り立てる歌 岐阜/「青年日本の歌」史料館
35章 郷土史家と「萌えミリ」の威力 熊本/高木惣吉記念館詳細をみるコメント0件をすべて表示
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辻田真佐憲の作品
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