庭の話 [Kindle]

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  • 講談社 (2024年12月11日発売)
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AIがまとめたこの本の要点

プレミアム

みんなの感想まとめ

人間が失ってしまったものを取り戻すための「庭」をテーマにした本書は、現代社会におけるSNSやプラットフォームの影響を深く考察しています。著者は、資本主義による富や情報の偏在がもたらす悪影響を指摘し、共...

感想・レビュー・書評

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  • オーディオブックで。評論、という分野で合っているでしょうか?インターネットは人類を解放するのではなく、私企業が運営するプラットホームでの擬似的な公共性に捕らえることになってしまった、というお話でしょうが?筆者はそこで庭の比喩を用いて、自然による遷移=資本主義による富や情報の偏在、という人類への悪影響を、環境にある程度の介入を続けることを通して、半自然、半公共を実現しよう、と言っているのかな、難しいな、合ってるかな?

  • 2025必読の、最高読書体験だった。個人的な手元の小さな愉しみと、情報社会の大きな構造を接続して、生き方、働き方の地図をくれる一冊。所々のぞかせる姿勢に、副題を『逆襲のヲタク』と名付けくなる。ヲタクカルチャーが死後になって久しい現代において、やっぱりヲタク的な生き方こそが人間の条件だろ!しかもそれが社会も良くするってよ!と叫んでるようにみえた。素敵過ぎる。こんなオトナになら、私もなりたい。

    壮絶興奮のアクロバティックな接続や展開が繰り出されるにもかかわらず、全体的に「これはこれ、それはそれ」という冷静沈着で機能分岐的な論点整理が緻密に整備されているので、破綻なく、たしかに!という上質な納得感が考えられる。

    その他感想①
    自分みたいな素人のために、「さいごに」あるいは次回に向けての論点整理と積み残し課題などについて、最後触れてほしかった。自分が迷子になっちゃった部分に自覚的になるためにも。
    例えば、アーレントの人間の条件を、尾高邦雄や阿部真大も経由しながら、令和の人間の条件にUPDATEしちゃう終盤戦には痺れたものの、本編で、要所要所で語られてきたヲタク的制作が、労働や行為の解毒に貢献するのか?掴めなかった。「労働による制作の快楽」と「行為の設計者として参加する(行為と制作をつなげる)」など、ひとつひとつは理論としては納得できるものの、人間の条件にヲタク的制作が何をもたらすのか掴めなかった(ほんとにアーレントの3条件あるいは制作のコンセプトに完全回収しきっちゃっていいのか?)。いずれにせよ、宇野さんの制作論は、もっときちんと勉強して、自分の仕事に活かしていきたい。

    その他感想②
    『PERFECT DAYS』はじめ、映画やアニメの批評を、文学以外は色濃く挟まなかったのは、あえてなんだろうか。途中何度も、役所広司のトイレ清掃員がよぎり、宇野さんの鋭さを持って「絡めて解説してくれ!」という欲望に駆られた。

    その他感想③
    國分功一郎さんの『暇と退屈の倫理学』を読んでいこう、いつかいつか、自分の仕事に重ねて『暇と退屈のブランディングあるいはマーケティング』という理論を自分で編んでみたいと思ってきたのだけれど、そこに通じるバイパスをこじ開けてもらえた気がする。まずは自分の本業を通じて、そしてその先で、きちんと文章にして、じっくり考えてみたい。

    『庭の話』、宇野常寛 @wakusei2nd 、2024

  • 前評判通り優れた論考。
    ハンナ・アーレント的な切り口で課題解決に挑む。
    実現は難しいが理解できる解決方法。

  •  本書における庭とは、相互評価ゲームとなってしまっているSNSや社会などのプラットフォームに対し、人間が失っているものを取り戻すための場である。著者は共同体に内包される差別や排他的側面を批判し、すべての人間が生きることが可能な場所を模索する。
     このような庭は理想ではあるが、その庭を作るだけでは機能しない。そこで必要なのは人間の生き方を整えることである。
     著者はアーレントの「労働」「制作」「行為」を引き合いとして、生きていく中でこの3要素のバランスの見直しを提示する。蔑ろにされている制作を取り戻すには、労働の中に、承認や強制から解き放たれた「弱い自立」を確立し、制作の快楽を再発見することを提案している。そのためにはセーフティネットとしての資本の再分配と暇が必要である。

     経済的に安定し、暇があり、0→1とする制作を、他者承認無しで行う。そのような人間の条件を前提として庭は駆動するという。
     私としては、この制作のハードルを下げるしかないと思う。0→1というと大袈裟で、中々大変な印象があるが、例えそれが折り紙だとしても、その折り紙は唯一無二であり、それは処分しない限り存在し続ける。労働にしても行為にしても、その手触りと工程を認識し、快楽を再発見する。結果から解き放たれるための本である。

  • 面白かった。冒頭からの現在のトランプ、参政党のよつな現象がなぜ起こっているかの理屈はキレキレで説得力があって本書に引き込まれた。スケールの大きな話に対して、結論は身近なところに落ち着いているのがいい。

  • 現代社会の在りようを批評しているような書きぶりであり、同時にかなり個人的な視点で記述されている内容もあり、話題があちこちに飛んでいるような気がしました。

    批判に関する部分は、なるほど確かにそうだよなと読みましたが、問題の解になる部分としての「庭」については今一つ理解が進まず、少し消化不良気味です。
    唐突に締めくくられる感じもあり、読み終わってから、結局人間はどうすればいいんだっけ、という感じで、もう少しシンプルに議論が進められればよかったなという印象です。

    一般的に否定的に論じられることの多い「孤独」について、それ自体がネガティブなものではないという議論があり、それが科学的な根拠をもっているかはさておき、そう捉えることができるという視点は、これからも掘り下げられるべきものだと思います。

  • 3.7

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著者プロフィール

1978年生まれ。評論家。批評誌「PLANETS」「モノノメ」編集長。主著に『ゼロ年代の想像力』『母性のディストピア』(早川書房刊)、『リトル・ピープルの時代』『遅いインターネット』『水曜日は働かない』『砂漠と異人たち』。

「2023年 『2020年代のまちづくり』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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