- 飛鳥新社 (2024年12月5日発売)
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感想・レビュー・書評
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子育てを頑張っている、子どもが欲しいという女性の話にはスポットライトが当たるし、感情として理解されやすいが、子どもを持つつもりは今のところない夫婦の、特に妻の側に立った話はとても少ないのは何故だろう。そして、子ども欲しくないという自分に対するこの罪悪感とやらは何だろう。何故子どもが欲しくないのだろう。というようなテーマのエッセイ。
子どもを欲しくないと女性が言うとビビられるか叩かれるか。こんな世の中での著者の葛藤が様々語られる。子どもと遊ぶのは好きだし、子育て中の人を見ると本当に尊敬する。しかし、自分が子どもを産むことは今のところ選びたくない。それは妻・母になる女性の側にどう考えても負担が重いということが多分にある。が、ハッキリとこれだという明確な一本筋の通った理由があるわけでもない。それが苦しい。そしてそれを堂々と言えず、周りに気を使い、自分を下げながら生きている。
自分も子どもを欲しいと思ったことが一度もない民としては共感する箇所多々あり。
だが一番思ったのは、独身で子どもがいないのと、結婚している「のに」子どもがいない、というのとでは大分周りからの風当たりも違うことだ。独身子どもなしは非モテだとか性指向だとかもっと別の多様な理由を勝手に推測されて、子どもがいないことよりも結婚していないことにスポットライトが当たる。それに対して、いや社会が私のような聞き分けが悪くて可愛くない女を不要としながら大人になってから結婚しないの?て聞くのはダブスタでしょう、と堂々と反論できるのだ。しかしDINKSは、法的に認められたパートナーがいるからセックスするだけで子どもが生まれるのになんでそんな簡単なことしないんだろう的な風に思われてる気がする。それ故、後者のほうが葛藤や悩みも大きいのだろうなと思った。
事実、自分は子どもがいないことにこんなに深刻に悩んでいない。だいたい、今自分が人としての価値を八割でも備えているのかと問われれば秒で全否定できる。そんな人間が子どもを産んだだけで、人として尊重されるべきレベルまで達するわけがないのだから、子どもを持たないことへの罪悪感など持ちようがない。著者の言葉を借りれば、子どもがいないのが自然な人生。
さっさとシナリオクリアして個体値選別にいそしむプレーヤーにとって、伝説ポケモンのような公式の用意したやりこみ要素なんて興味がないのだ。
という内面のこともそうだが、どうしても産むのは女性なので女性の身体に負担が大きいのに加え、家事の必要性に真っ先に気づくことで身体以外も女性の負担が大きいというところが特にやるせないところ。男性も生理や出産できる身体だったら、色々と解決していることも多かろうに、という言葉に共感。フェムテック市場なんてつい最近出てきたばかりだが、女性だけが使用するものなんて市場競争原理に上げられなくて、なんだかんだ今まで積み上げて発見した謎に豊富なライフハック・助け合い・最後は我慢で乗り切ってしまう女性が多い。その延長線上で、仕事も家庭も、我慢と気合で女性が乗り切ってしまい、父親はいつまでも少年のような心を持ってるなんて恥ずかしいことをドヤ顔で言うようになってしまったのかもしれない。
でもこれからAIがどんどん広がっていき、もしベーシックインカムが制度として始まったら、みんなが生活を保障される。自分の経済力は気にしなくてよくなるし、例え稼ぎがよくても育児に非協力的な夫は、いなくても生活に支障がなくなる時代になる。無痛分娩を始め、身体に負担のかからないテクノロジーが開発されたそのときには、産もうと思う人も増えるかもしれない。そして私はそういう人を応援する人になります。 -
子どもを持たない寄りの気持ちがありつつも、持たないことを選ぶこともできない自分の頭を、少しでも整理できたらと思って読み始めた。
いくつもの持たない理由が言語化されていて、心がスッと落ち着いた部分もあった。
これを読んだから、持たないぞと心に決められるわけはないのだが、今後の自分の思考を深める足がかりにはなったと思う -
子を持つ・持たないについて悶々としていてそれに関する書籍を漁っていたら目に止まった作品。なかなか言語化できずにいたもやもやが記載されてあったり、自分になかった視点にも触れられて学びもあったり。月岡さんのポッドキャストを聞いていても、この文章を読んでも、子を持ちたいと思う人、持ちたくないと思う人が対立することなくそれぞれの幸せを生きられればいいのになと思わされる。
個人的には、将来後悔するかもしれないから若い今のうちに出産したほうがいいかな、というスタンスで、明確に子が欲しい理由が言えない。消極的になる理由を列挙する一方で、友達の子供が可愛かったり、街ですれ違う子供は尊いなと微笑ましく、生理が来ると悲しさはあって、本当は子供が欲しいのかな、と自分のことが分からなくなる。こんなに悩んでいておかしい、と落ち込むことも多かったが、読了後はこんなもんでもいいか、悩み続けようと思えた。
・「決断を私に委ねられる夫が羨ましい」に同意。妊娠出産までの負担の大きさでいえば女性が圧倒的で、それ故に私は悩むことが無限に湧いてくる。夫にはそれはない。
・「私の選択は私の選択であり、少子化問題とはまた別の場所にある」の言葉には気持ちをラクにしてもらえた。少子化少子化と言われる昨今に、そもそも子を持ちたくない、という決断は罪悪感を感じている自分が少しある。
・反出生主義に被る記載もあり、「生まれてくる子供の意思を尊重して、彼らが生まれてきたいと強く希望したので、子供をつくることにしました、というのは不可能」とある。まさにこれだよな、と。この世に産み出す、というのは親のエゴでしかないのは反論の余地はないと思う。友人が「産まない理由もわかるけど、子供がほしいという気持ちはつなげて考えてない、ネガティブな要素よりも自分の子供に会いたい、母になりたいという気持ちが勝った」と言いそれに衝撃を受けたと記載されている。「夏物語」を再読したくなった。
