第21話『もう一人の傭兵』
ライエルはジグが少年のころ傭兵団に入ったときの世話役だった男だ。
ライエルは異大陸の魔獣や魔術に参っていた。
最初に上陸したときに魔獣食われた仲間の顔が忘れられない。
ジグがこの大陸にいると気がついたときは2人ならやっていけるかもしれないと思った。
しかし、ジグが魔女を連れているとこに気がついた。
「お前はなぜアレと一緒にいて平気なんだ?」
シアーシャを助けたというジグと、どうあっても魔女は受け入れられないライエル。
仕方なく対決になってしまう。先に剣を向けてきたのはライエル。
ジグはあっさり勝った。
一太刀。
ライエルは死ぬ間際「帰りたい」と言った。
ジグはライエルが自分に敵わないとわかって勝負を挑んできたとわかっていた。
第22話『今日の友は』
シアーシャは八等級になった。
ギルドでイサナがジグ話しかけてきた。
狂爪蟲に付いていたのはキノコの1種だったらしい。
虫の体を苗床にして繁殖するキノコ。宿主の体を操ることができる。
人間に寄生しないし、虫も同系統の虫同士しか寄生できない。
イサナに戦い方は我流か聞かれ、師匠はどこかの国の軍隊式槍術を使っていたと話した。
師匠のことを思い出す。実力、知識共にただの一兵卒とはとても思えない。
どこぞの大国の将軍だったのだろうか、と考えた。
今度はイサナのことを聞く。
イサナの耳はどれくらい聞こえるのか。
ギルド内にいる全員の会話を聞き分けられるくらい。
ジグはシアーシャにパーティーを組ませるか悩んでいて、
イサナの助言で助っ人(目的が同じ時のみ組む臨時パーティー)として参加することにする。
ジグはイサナを信用はしていなかった。
いつやり合うことになってもいいようにイサナの歩幅を掴んだ。
戦う理由などいくらでもあるというジグに
「私ともですか?」とシアーシャが心配そうに聞くと、
ジグは「お前を護るのが俺の仕事だ。」と言う。シアーシャはほっとした。
第23話『意外な依頼』
アランのパーティーに食事に招かれたジグとシアーシャ。
シアーシャはアランにパーティーに入らないか?と誘われたが保留。
エルシアが現れた。
エルシアがジグにまた魔術を使おうとしたから、ジグがキレた。「表へ出ろ。」
アランがなんとかその場を治めた。
シアーシャが臨時パーティーに行く間、ジグは休暇。
魔具をみて、蒼金剛を主原料にした硬貨を買った。術を組んでる最中にぶつけたら使えると。
街で誰かを探している様子のイサナに会った。イサナは部族の子どもを探していた。
マフィア関係でギルドにも憲兵にも頼れないから、ジグに子供を探す依頼をした。
覆面と変わりの武器を用意し、正体がマフィアにバレないようにする約束で依頼を引き受けた。
第24話『異民族からの依頼』
イサナはジグに状況を説明した。
数日前から子供が家に帰ってこないという報告が多数上がってきており、その数は30人以上になっていた。
迷子には多すぎる数字に十中八九攫われたと考えられていた。
イサナがジグを連れて族長のもとに戻った。そこはもちろんジンスゥ・ヤ一族の家。
イサナが族長にジグを協力者だと紹介した。
「此度の事件解決を依頼しました。」ジグは傭兵だと名乗った。
族長はジグの協力に感謝した。しかし、若者は反対した。自分たちの問題は自分たちでなんとかしてみせます。というが、それができていないから、族長に一喝された。
族長はイサナの判断を信じた。
ジンスゥ・ヤの一族は基本的に自分たち以外には心を許さないようだ。
使いの者が来るまでイサナとジグは食事をとることになった。
メニューに何が書いてあるかわからないし、食事の種類もわからなちから、ジグは給仕に「彼女(イサナ)と同じものを。」と注文した。
しかし、給仕はイサナには海老、ジグには芋虫を出した。「余所者にはそれがお似合い。」
イサナは怒ったが、ジグにはどうでもいいことだった。
ジグは戦が長引く中、食料も尽きたとき生で芋虫を食べることもあった。だから、調理してある芋虫はなんの嫌がらせにもならなかった。
シュオウが族長の依頼で詳細な情報を伝えにきた。イサナの反応からそれなりの地位がある人物のようだ。
事件が起きるのは決まって夜から早朝だった。気がつくと姿がなくなっていて、捜しても見つからず、怪しい人物の人影や目撃情報もない。
ジンスゥ・ヤの他の達人は皆、出稼ぎで留守にしていた。今動けるのはイサナともう一人くらいしかいない。ジグの誘導で内部犯も疑い始めた。
ジグは子供を攫う目的を『人身売買』だと考え、アジトに目星をつけるために地図を出してもらった。
人身売買に私たち(ジンスゥ・ヤ)を狙うのはリスクが大きすぎないか?と言うイサナとシュオウに、
ジグは「お前たちは弱いからな。」と一蹴する。
それを聞いたシュオウは少し怒っていた。
ジンスゥ・ヤは達人を多く有している。マフィアでもおいそれと手を出せない。
「弱い。などと言われたのははじめてかもしれません。」
しかし、現状、自分たちで何とかできずに余所者であるジグに頼っているのだ。
本来なら、こんなことが起これば国や憲兵が黙っていない。
「何をしても構わない相手と思われ、腕は立つが見た目や生まれが違う程度で迫害されるお前たちは“弱者”だ。」とジグは2人を言いくるめてしまった。
人身売買として、話を進める。
“商品”を保管しておく場所が必要である。
地図からジンスゥ・ヤの支配地のなかでも北に位置するとある建物に目星をつけた。
バザルタ・ファミリーが関与している可能性が高い。
第25話『危険すぎる男』
ジグはイサナが言っていた「もう一人、今動けるやつ」について「もう一人の腕利きとやらは呼べないのか?」と聞いてきた。
協力してくれるとは思うけど…。あいつの仕事、賞金狩りつまり人狩りだから…と渋った。
まだ若く間違いなく天才だけど殺しを楽しんでいる。
そのジィンスゥ・ヤの若者はライカといった。
イサナとジグで話をつけにいく。ライカはジグに報酬はイサナの体?とからかう。
熱くなるイサナだったが、ジグは依頼料は危険度見込みで十分な額を貰っている。彼女の体をもらうには今回の仕事は簡単すぎるな。と軽く流す。
ジグはライカが殺しを楽しんでいることについて問題はないと判断していた。
殺しが好き。否定してもそれが変わるわけではない。それなら“それ”とどう付き合っていくか。ライカは殺人衝動に身を任せるわけでもなく、普段は我慢して、『人狩り』を仕事にしてうまく殺人衝動を昇華している。趣味と実益を兼ねて殺せばいい。
さらにライカのことを「その年でよく自分の衝動と向き合うことができたな。大した精神力だ。」と褒めた。
ライカは自分が認められて嬉しかった。ジグに免じてタダで付き合うことにした。
ライカとジグの交渉を見ていた族長は「頼る相手、間違えたかもしれんのう」と呟いた。
前回、目星をつけた北に位置する廃屋らしき建物に、イサナ、ジグ、ライカ、シュオウはやってきた。複数の足跡を見つける。
イサナが扉を斬り4人は中に入った。
イサナとシュオウ、ジグとライカで別々に子供の居所を探す。
犯人がいても子供を最優先すると決めていた。子供を見つけ次第、建物から離れた場所で待機している救出隊に報告。残ったもう一組が子供の護衛に回る。という計画だ。
イサナと二人きりになったシュオウは、「ジグは危険すぎます。」と言い出した。
ライカとの会話を聞き、ジグの話が全く理解できないわけではないし、実際ライカを見る目も多少変わった。しかし、一体どんな環境にいればあんな考えに至るのか。シュオウは恐怖を覚えていた。
「あの男は異質すぎる。」
いつか敵になるだろうから、今のうちに…と言い出す。
しかし、イサナはいつか敵になるという意見には賛成なものの、「へたに手を出して仕損じれば彼はどんな手を使ってでも私たちを排除する。こちらから手を出さないかぎり、無茶はしないはず。」彼の動向は私も気にかけて…と話していると子供の声らしきものが聞こえた。
イサナとシュオウは声の方の暗闇に向かう。
第26話『確保』
イサナとシュオウが子どもの声がした方向にある扉を開けると、倉庫のような場所に大量のジィンスゥ・ヤの子どもが重なるように倒れていた。それを見たふたりは青ざめるが、近寄って確かめると意識を失っているだけだとわかった。
攫われたと報告されていた人数より子どもの数が多いから、イサナはあれから更に誘拐されたのだと怒りを露わにする。
ひとまず、ジグとライカを合流させた。イサナとシュオウが、救出隊を呼びに行く。その前にライカがなにかおかしいと気づいた。イサナたちは子どもの声が聞こえたからここにきたのになぜ、子どもは全員気絶しているのか。そう言われ、敵が潜伏しているのではないかと、3人に緊張が走る。
すると子どもたちの数人が立ち上がり「ごめんなさい。実は起きてました。」と話しだした。気がついたらここにいたけど、扉も開かないしどうやったら出られるか話し合っていたと言う。寝たふりをしていたのは、攫ったやつが戻ってきたかもしれないと思ったから。
イサナとシュオウは納得し、救出隊を呼びに外に出て行った。
攫われた少年の1人がライカに「どれくらいで助けがきますか?」と聞いた。すぐ答えられないライカに、ジグが、1時間くらい。と答える。結構かかるんですね。と肩を落とす少年。犯人について聞くが何も覚えてないという。突然コイントスをするジグ。
ライカはジグに今回の事件をどう見るか聞いた。ジグの解答はマフィアが関わっているのは間違いないが、一部の強硬派が先走ったのではないか。ということだった。
異民族なら多少いなくなっても本気で探す人は少ないし、人身売買はおいしい商売だが、武闘派集団のジィンスゥ・ヤと抗争になればリスクが大きい。
マフィアって統率力ないの?とからかうようにいうライカに「一枚岩のマフィアなど存在してたまるか。」と答えた。
一枚岩でないマフィアにこのことをリークすれば内部抗争が起こり、矛先をジィンスゥ・ヤから逸らすこともできるかもしれないなどと、ライカとジグはおしゃべりを続けた。
そして、突然ジグが「あと5分ほどで助けがくるはずだ。」と言うと起きていた子どもたちが驚いて声をあげ、青ざめた。
その様子を見てジグはライカに「どうだ?」と問いかけた。ライカは「……全員、黒かな。」と答えた。
起きていた子どもたちは止まる。
「まさか気づかれるとはな…。いつからだ?」
という問いにジグは武器を振るう。とっさに子どもを人質にしようと動いた1人を倒した。
「プロが理由もなく問答などするものかよ。」と答えた。ジグとライカはただおしゃべりしていたわけではないのだ。
第27話『意趣返し』
ジグとライカ、誘拐犯たちの戦いが始まる。
ジグはナイフを投げられたが、後ろに攫われた子どもたちがいて、避けると当たってしまうため避けられない。だから、手で払い除ける。その隙に攻撃され、得物を落とした。
誘拐犯は2人がかりでナイフで攻撃してくるが、ジグには全く敵わない。強烈なパンチや槍で次々殺していく。死んだ1人が煙をたて変身が解けた。ジィンスゥ・ヤではなかった。
ライカは日本刀で戦う。誘拐犯の腕を斬り、首を跳ね、間を通ったと思ったら全身斬られていた。
殺しをするライカはとても嬉しそうな笑顔。
ジグは倒した1人を槍に刺して敵に向かって投げた。その先にいた2人に死体が当たった。そして、振り向いたときにはライカに斬られていた。「避けてはいけない攻撃。意趣返しさせてもらったぞ。」とジグ。
生き残ったのは最初に「実は起きてました。」と立ち上がった少年だけ。
2人に両側から挟まれ「観念してね?指示してる人間や目的、洗いざらい吐いてもらおうか。」やはりライカは笑顔だ。
第28話『影の男』
イサナとシュオウが救出班を連れて戻ってきた。
ジィンスゥ・ヤの子どもたちは全員、かすり傷程度で命に別はなかった。
犯人の男はジグが蒼金剛のコインを握らせたことで魔術が解け元の姿に戻っていた。ジグは倉庫に入った時点で何かしら魔術が使用されていることに気がついてはいたが、どんな魔術かわからず26話でカマかけをしていた。寝ている子どもたちが魔術にかけられている可能性も考えコインを近づけたが変化がなかったため、子どもたちは魔術にかかっておらず、また本物のジィンスゥ・ヤであることも確認できた。
子どもたちが救出され、ジグとイサナが残された。イサナは「私たちも行きましょう」と言いかけたとき、誰かの気配に気づいた。現れたのは北のバザルタ・ファミリーのヴァンノという口ひげの貫禄ある男だった。
イサナは威嚇するが、ヴァンノは争う気はないようだった。
今回の犯人どもがどうなっているか聞いてきた。「1人は生かして連れ帰った。他は死んでいる。」と言うイサナにヴァンノは「死体のほうを欲しい。」と言った。
今回の件を誰がやったか目星はついているから、死体が使い方次第で証拠になるという。
不意にジグが木の箱に腰をかけた。実はそこには影の男がいた。
ジグはお腹が空いていることに気が付き、シアーシャのことを思い出した。あまり遅くなるのも…と考え、傭兵団にいたときでもこんなに1人を気にかけたことはなかったな。と笑ってしまった。
犯人たちの死体の後始末は任せてくれとヴァンノが倉庫に入っていく。
イサナはジグを食事に誘うが、ジグは待たせている奴がいると断った。
「報酬をもらえれば十分。それに、次は味方ではないかもしれない。」イサナの顔から笑顔がなくなった。
ヴァンノが裏路地の影にいる謎の人物に話しかける。「例の白雷姫はどうだった?」フードを被ったその男は顔が見えない。隠形で姿を隠すことができる。イサナを倒せそうかという質問には「正面からは厳しいかと、裏からなら入念に準備した上で五分と言ったところでしょうか。」という答えだった。
それよりもジグのことが気になるようだった。ジグが木の箱に腰をかけたのが自分の真横だったとヴァンノに伝えるとヴァンノは驚愕した。
イサナを倒すことが難しいと聞いてヴァンノはやはりジィンスゥ・ヤと手を組む方向に持っていって正解だったと考えた。
強硬派の考えは『子どもが攫われ閑散としていく集落、助けを求めても誰もが見て見ぬふり。そうやって彼らを追い込み自ら街を出て行かせるのが真の狙いだった。』
ジィンスゥ・ヤの対応が妙に早かったことがヴァンノは気になっていた。ジグのことは顔を隠していたことから表の人間がマフィアに顔を知られたくないなら、冒険者仲間だろうと考えた。その上で隠形を見抜いたことを知り、ジグの身元を探るように命令を出しかけるが、危険が大きいと思い「こっちであたっておく。」と言った。影の男を失うことは大損害なのだ。
ジグが帰宅すると、シアーシャが待っていた。シアーシャは怪我がないか血の匂いがするジグの周りをウロウロする。
一緒に食卓を囲む和やかなときを過ごした。