七帝柔道記 [honto]

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  • KADOKAWA
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  • honto ・電子書籍
  • / ISBN・EAN: 9784041042311

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  • 時代遅れの昭和スポ根。
    ただただ暑苦しく壮絶な地獄の日々が描かれる。
    まさに「漢」と書いて「おとこ」と読む。そんな世界。
    とにかく面白すぎて、一気読みしてしまった。

    「練習量がすべてを決定する柔道」と呼ばれる、高専柔道の流れを引き継ぐ七帝柔道。
    それは、いわゆる「柔道」として知られている「講道館柔道」とは全く違う世界。
    旧帝大にのみ引き継がれた「異端」として、ひたすらに寝技を磨き、七帝戦で勝つためにすべてを捧げる日々。

    「講道館」とはルールも違う。
    試合は15人の団体戦。勝ち抜き制。
    「抜き役」と言われるポイントゲッターと、「分け役」というディフェンダー。
    しっかりとした役割分担に基づき、自らの役目を、文字通り死ぬ気で果たす。

    自分は一応体育会出身ではあるものの、甘ったれたへっぽこだったので、ここで語られるような、暑苦しいガチのスポ根の世界は、正直言って分からない。
    ときに、眉をひそめるような描写もある。
    けれど、人と人との繋がり、一つの目標に向かって、すべてを捨てて一心に取り組むその姿勢は眩しくて、何度か落涙した。

    金澤主将とのやりとり。
    そして永田さんのスピーチ。
    ここは本当に感動して、落涙どころか嗚咽も出た。

    著者の筆力が素晴らしいの一言に尽きると思う。
    この壮絶な世界に、身を置いているかのように感じさせてくれる。
    自分だったら一瞬で退部してしまうであろう状況を、最後まで経験させてくれる。
    まさに、読書の喜びそのものだと思う。

    ちなみに、この物語に書かれているのは30年ほど前のお話。
    現代でも七帝柔道は引き継がれてはいるものの、練習はずいぶんマイルドになり、「カンノヨウセイ」も廃止になったとのこと。
    それでも、旧帝大というエリート集団の片隅で、「高専柔道」に打ち込んでいる学生たちがいる。
    きっと彼らは、唯一無二の経験をしているのだと思う。

    著者の作品は他にも幾つか出ているので、読まねば。

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著者プロフィール

1965年生まれ。北海道大学中退後、北海タイムス社記者に。2年後に中日新聞社に移る。2006年『シャトゥーン ヒグマの森』(宝島社)で「このミステリーがすごい!」大賞優秀賞を受賞しデビュー。2012年『木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか』(新潮社)で大宅賞と新潮ドキュメント賞をダブル受賞。2013年、北大時代の青春を描いた自伝的小説『七帝柔道記』(KADOKAWA)で山田風太郎賞最終候補。他著に『VTJ前夜の中井祐樹』(イースト・プレス)など多数。2016年春、中日新聞社を早期退職し、専業作家となる。

「2018年 『VTJ前夜の中井祐樹 七帝柔道記外伝』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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