面白かったですっ!!! これはいい本を読ませて頂きました。SF/FTのクラシックを少々嗜むわたくしのツボを押しまくるラインナップでした。見当違いなレビューかもしれませんが、以下に感じたままを書き散らします。
●ブルーノート 一文の恋
すみません、最初「いちもんのこい」と読んでしまいました(ダブルミーニングかもしれませんが)
男の子に訪れる変化や、周囲の無責任なようで本気で真剣な様子など、この年頃ならではの描写にきゅんきゅんきました。
●天使の夢は地上を翔る
妙にハードボイルドな独白の挙句に正体がアレというのが笑えます。字w幕w乙www
キーとなるアイテムとその入手先がとても気になりました。こういう設定にはまんまとそそられます。
●恋人の石 ~〈荒地の民〉の物語~
切なくて切なくて泣けました。最後に語り手である主人公が気付いた真実がまた切ない。それにしてもなんて大きな愛なのだろうか。
●炒り豆をめぐる冒険
可愛らしいお話ではあるのですが、主人公二人それぞれのお互いへの思いが切ないです。距離に隔てられた人の心は防人の歌から変わらないことよ。しかし私はこの二人がその後どうなるか知っているよ、ふふふふ。
●正しい夏のつくりかた
これまた古き良きウェットなスペオペ。相方が非人類型の宇宙人なのかとワクテカしていたのは内緒です。私もこんな相方欲しい。そしてきっと日本人のDNAはどこにいてもこうして魂に刻まれた日本の夏を懐かしむのだろう。
●さよならいぬの声
このテーマは物語としては語れません。以前にテレビで見た通りであれば、彼ら小さきものたちも人と同じく魂を持っていて、彼らの愛した相手の幸せを祈っているそうですよ。
後に残していくくらいなら見送ってやりたいと思うけれど、DOG YEARで過ぎる彼らの人生ができるだけ豊かで長いものでありますように。
●河を渡る 月下世界紀行
なんというか、不思議な雰囲気のお話。「異世界ファンタジー」です、と言い切られてしまうと確かに異世界を舞台にしたファンタジーであるような。そして確かに気持ちを込めたお守りには何かがあるようです。
●音が響きわたる場所
これまた次から次へと登場するガジェットに思わず頬がゆるむようなサイエンティフィックなお話。その裏にある非常に人間くさい心の動きだけは何千年経っても進化せず読者が共感できるからこそのSFです。