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- / ISBN・EAN: 9784062921558
感想・レビュー・書評
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NHKの番組徳川綱吉について議論する番組が以前あり、生類憐れみの令について関心をもったので、いつか購入して読んでみたいと思っていた待望の本でした。著者の塚本さんの取り組みは「徳川綱吉」を読んでいたのですが、今回読んだ本の方が元禄、宝暦の頃の時代を高い視点で見ていてわかりやすかったです。生類憐れみの令が必要となった時代的背景の考察や、綱吉に敵対する人物の著作や明治政府の思惑により、内容がねじ曲げられて後世に伝わったわけですが、著者の史料に基づいた分析は説得力大です。ただし、塚本さんは綱吉の政策が善政だったといっているわけではなく、綱吉らのその時代の施政者が、問題に対して理性的に立ち向かった点を評価しています。綱吉は、現代でいえば郵政民営化問題に取り組んだ小泉純一郎に似ているかなと思います。元禄の頃の問題は、子捨や馬牛捨、犬食・犬殺などでしたが。(人間の)子捨が、馬牛捨と同じように議論されるところは現代からみると奇異に映ります。
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