大人の迷子たち

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  • 廣済堂出版
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  • 楽天 ・本
  • / ISBN・EAN: 9784331518786

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  • 素晴らしい一冊。さすが日本のコピーライターの第一人者、岩崎俊一氏の著者である。

    全49篇からなる珠玉のエッセイ。1篇1篇のタイトルからすで捻りが効きまくっていて、まるでタイトルがキャッチコピー、本篇がボディコピーのよう。

    しかしその卓越した言語表現技術の素晴らしさも然ることながら、特筆すべきは1篇1篇の話の内容である。氏が見つめてきた日常の悲喜交々。ご家族とのエピソード。自身に浮かんだ感情とその遍歴。全篇を通して、様々な人間関係から成る人生のいうものの温かさ、残酷さ、美しさが描かれて、それらに思わず胸が熱くなる。

    氏が青春時代過ごした、昭和30年代の日本。そこでは今の時代に失われた、人間どおしの生温かい営みがあった。そんな時代に育まれた氏の感性は、人間臭く、とてもとてもあたたかいものだと感じた。

    読んだ後、本当に大切なものは何かを今一度考えさせられる、そんな一冊です。

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著者プロフィール

コピーライター。1947(昭和22)年、京都生まれ。同志社大学卒業後、大毎広告、レマン、マドラなどの広告制作会社を経て1979年独立、岩崎俊一事務所を設立。TCC賞、ACC賞、読売広告賞、朝日広告賞、カンヌ国際広告賞銅賞など受賞多数。「一度、ふられてらっしゃい」(サントリー)、「聴こえてくるのはいのちです」(ソニー)、「21世紀に間に合いました」(トヨタ自動車)、「年賀状は、贈り物だと思う」(日本郵政)などの時代を代表するコピーを多数生み出した。2014年67歳で逝去。『大人の迷子たち』(廣済堂出版)などによりエッセイストとしても知られる。

「2016年 『昭和という たからもの』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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