蜘蛛の糸 [青空文庫]

著者 :
  • 青空文庫
  • 新字新仮名
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本棚登録 : 115
レビュー : 19
  • 青空文庫 ・電子書籍

感想・レビュー・書評

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  • いやー、怖いです。
    因果応報というか、本当にこうしたお話は怖気がします。

    フィクションに出てくるあれこれを現実にリンクさせる読み方はあんまりよろしくないかもしれません。
    ただ、カンダタは実際います。アナキンが暗黒面に堕ちたように誰の心にも。
    別にカンダタのような大犯罪者でなくてもやさしく読み替えれば良いのです。
    ”尊大で嘘ばかりつき疑心暗鬼で攻撃的な振る舞いをする人”
    ね、これならいっぱいいるでしょう。実際、僕の周りにもいっぱいいました。

    自分の幸せのために修羅の道へと踏み外し、人を都合よく利用して平然と切り捨てるような人って世の中に腐るほどいるんじゃあないでしょうか。
    大体が自分しか見えてないし、自分のことしか考えてません。これはおそらくナルシストでもエゴイストでも当てはまりますよね。どんな人種であっても心のカタワとは相容れないのです。

    僕はこの作品をそのような手合いに教えました。
    僕のことを踏み台にして自分の幸せをつかもうと企んだ男に。
    彼は恩に報いる気もなく、潔く謝る気もなく、償うそぶりすらも一切見せなかったので、天神様に成り代わって僕は手を下しました(!)
    彼はラクになろうと思った時期があったそうですが、自分の命可愛さに悪事に手を染めました。結果として彼も彼の家族も地獄に堕とされることになりました。ついぞ改心することはなかったのです。ごんぎつねよ、キミはえらい!

    ことわざが科学的に立証されているようにこうした寓意は、どうやら説明がつけられるんじゃないかって思いました。
    手近なもので集めてみると、古くは「贈与論」、進化心理学の好意の返報性、さらに組織心理学においてもどうやら説明がつけられそう。

    Are you a giver or a taker? | Adam Grant
    https://youtu.be/YyXRYgjQXX0

    市場において貰ってばっかりで返礼しない者は嫌われます。
    そりゃあ、負んぶに抱っこの甘ったれた乞食精神丸出しのクソガキは確かに始末に負えないことでしょう。
    非親切もやり返されます。作用反作用の法則が働いて。事例を引けば枚挙にいとまがないです。どんな身分であれどんな関係性であれ、この道理はまかり通ります。

    どうせなら正しい行いを貫いて人に感謝されて死んだ方がマシですね。そう、かたあしだちょうのエルフのようにね。
    憎まれて死んだらもう二度と塗り替えられないし、死んだ後も憎まれ続けます。

    どの宗教を信仰するにしろ、無神論者になるにしろ、嘘くさい道徳の授業などよりもこの作品の訓示は僕にとっては貴重だと思いました。

    「俺が地獄に堕ちなきゃお前は気が済まないんだろう」
    と彼は言いました。
    「よくわかってるじゃん!」
    と僕は思い、地獄に突き落しました。

    彼は再び地獄の底に舞い戻って行きました。死後は本当の地獄に堕ちることでしょう。

    • nejidonさん
      夜型さん、こんにちは(^^♪
      いつもコメントをいただく一方なので、今日はこちらに書きこみますね。
      この作品は、大人になってから読むとその...
      夜型さん、こんにちは(^^♪
      いつもコメントをいただく一方なので、今日はこちらに書きこみますね。
      この作品は、大人になってから読むとその深遠な意味合いがよく分かりますね。
      怖さの意味を知ると、もっともっと怖いものです。芥川は巧い。
      ところで「本にまつわる本」ですが、しばしばリスト外の本にまで旅をして
      しまっています。
      心ならずもどんどん繋がってしまいまして。
      でもちゃんと基本に立ち返りますので、どうか温かい「親心」で見守ってやって
      下さいね・笑
      夜型さんがお元気だと、私も心底嬉しいのですよ。
      今年もどうぞよろしくお願いします。
      あ、そうだ!ネオ高等遊民さんのライブ、すごーく面白かったですよ!!
      2020/01/02
  • シンプルに描かれていて読みやすかった。
    つい納得してしまう。
    優しさや思いやりは持っているけど、特殊な状況下に置かれるとどうしても自分が大事で、一番になってしまう。

    人のさが。
    優しい反面真逆の一面も持っている。
    あやういバランス。
    まるで…やじろべえのよう。


    ※(「特のへん+廴+聿」、第3水準1-87-71)陀多かんだた

  • 自分だけが助かろうとするのは浅ましい行為です、という教訓にも見えるけど「羅生門」と同じく、これまた「人間ってこんなものだよ」と言っているように思えました。果たしてあの状況でのカンダタの行為を非難できるだろうか。お釈迦様ならともかく、わたしには無理だ。人間ってこんなものだと思う。

  • 生前にたった一つだけ善いことをしたカンダタという男の話。2,871文字。

  • ない

  • なつかしかった。

  • ここで描かれている御釈迦様は残酷で、カンダタはアホ。

  • 子供の頃に読んだ記憶があるような、ないような…
    改めてちゃんと読んでみたけれど、
    不良が少しいいことすると好感度がアップ
    してしまったり、実はいい奴なんじゃないか
    なんて、巷間よく言われたりするが、
    この犍陀多という人物はその典型?
    なんて思いながら読んでしまった。
    それ以上に、この作品のお釈迦様は
    “暇を持て余した神々の遊び”なんて芸人のネタが
    あるけれど、まさしくそんな状態なのかな?
    と怖いことを思ってしまった。

  • お釈迦様のお慈悲が残酷だなぁ……極楽にいる人だって同じ状況じゃカンダタみたいに叫ぶだろう

  • 誰もが知っている話だが、あらためて読むと子供の当時とは違った印象もあり、ああ そうだったと確認もできました。

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