魔術 [青空文庫]

著者 :
  • 青空文庫
  • 新字新仮名
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感想 : 7
  • 青空文庫 ・電子書籍

感想・レビュー・書評

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  •  実質再読。初読は確か新潮文庫。でも内容は覚えてたのと全然違くて、一体何を読んでいたんだって自分で思っているという……。それもまた魔術か(違います)。
     「欲があると使えない」という魔術の教えを乞う主人公。杜子春に似たような流れだなあと思いつつ、最後のオチはなんだかいい。

  • 欲を捨てることができるか、と聞かれたら何と答えるだろうか。この世に欲のない人間などいるのだろうか。
    この本の著者である芥川龍之介は誰もが知っている有名小説家である。教訓めいた内容のものが多いが、短編小説であるため読みやすく、教科書にも載っている。芥川龍之介の作品の特徴は、人間の暗く醜い部分を書いているところだ。この本にもその特徴は顕著に現れている。
    題名にもある"魔術"をめぐって、人間のエゴイズムを感じられる作品だ。また、芥川龍之介は『蜘蛛の糸』と同様に、この作品を児童向けに書いている。そのため、子どもにはもちろん読んで欲しいが、大人になってからでも、何か心に刺さり、どうしようもない気持ちになってずっと考えてしまうような、忘れられない作品になるだろう。

  • 岩波書店『芥川龍之介全集 第5巻』(1996年)所収。

    ある雨が降る夜のこと。
    インド人の知り合い(だったか)に魔術を教えてもらう話。
    魔術を得るためには、欲を棄てなければならないと忠告される。

    一通り魔術を見せてもらって、魔術を習得したいと思った主人公。
    その晩止めてもらうことになり、教えてもらうことに。

    魔術を習得した男は、とあるお店で・・・。


    芥川龍之介ならではの短篇。

    他の方が指摘しているように、ほんとうに、インド人が魔術を使っているそのときの描写がきれい。目の前に浮かんでくるよう。

    設定は少ないのに、見事にその雰囲気を味わえる。

  • まるで「邯鄲の枕」。「笑ゥせぇるすまん」の世界も思い出すブラックコメディ。最後の落ちにドキリとさせられる。人間って。

  • まぁ読み終わってしまえば、よくある話で真新しさはないのかもしれんけど、よくある話ということは、それなりに楽しめるからみんな使ってるってことだわね。
    というわけで面白かったんだけど、やっぱインド人ってスゲーな。インド人ならできるかも、っていうイメージも含めて。

  • インドの魔術師に不思議な魔術を見せてもらったあと、魔術を教わることにするが
    魔術を使うには欲を捨てる必要があると言われ、という話
    話の流れとしては杜子春によく似ているが、一つ一つの魔術の幻想的で美しい描写にも注目したい

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