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感想・レビュー・書評
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勝手に始めた「芥川龍之介×今昔物語集プロジェクト」なんですが、一作目から何の因果か本作に当たり、苦しんでおります(笑)。
これは芥川にとって二作目だったのだそうですが、なんで脚本のかたちにしたのか。上演する予定があったのか。何もわからないのですがエライものに手をだしてしまいました。
上演されたら観客にはわからないのですが、脚本上で読むと、
☆登場人物はA(竜樹)とB(その悪友)、なぞの「男」とそれの変化形であろう「第三の声」しか明記されていない。あとの人は、「――」であらわされている。
☆なぞの「男」と、「第三の声」。おそらく同じ人物でありそうなのに、なぜ違う声と設定したのか。
(今の映画だと、CG処理とかされてしまいそうだ)。
これは重大問題で、ちょっと読んだだけではわからない。
☆Aも「男」「第三の声」も、『顔を見る』ということに固執している。これも今は意味が分からない。
☆本作のいう「死を忘れるものは生を忘れるのだ。生を忘れたものは滅びなければならないぞ」という思想は、微妙に仏教とは違う気がする。
まあ仏教もいろいろ宗派があるから何とも言えないけど。
☆普通、後宮で妃が妊娠して相手がわからなかったら、その妃は死刑で警備担当者は処分ではないでしょうか。設定は二世紀の南インドなのでしょうけど、ずいぶんのんびりしているなあとは思いました。その当時のインドに宦官制度があったのか?
いろいろ疑問点はあるが、なかなか面白い作品であるなと思います。
ネットで見れる参照資料;
https://21dzk.l.u-tokyo.ac.jp/SAT2018/JT2047.pdf
龍樹菩薩伝――ナーガールジュナ菩薩の生涯――
【題材となった古典作品】
『今昔物語集』 巻4の24 「龍樹、俗の時に隠形の薬を作
る語」
やたがらすナビ・巻4第24話 龍樹俗時作隠形薬語 第廿四
https://yatanavi.org/text/k_konjaku/k_konjaku4-24
『三国伝記』 巻の2 「龍樹⼤⼠術法昔事」
以下より引用;https://www.hosen.okayama-c.ed.jp/library/wp-content/uploads/7525a1d272957154405187abfc08268a.pdf
youtube の朗読は機械音声だったので、見ないことにした。詳細をみるコメント0件をすべて表示
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