あらくれ [青空文庫]

著者 :
  • 青空文庫
  • 新字新仮名
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感想 : 3
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感想・レビュー・書評

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  • 一人の女性の半生記。主人公お島のたくましさがまぶしくて、長編ながらあっという間に読んでしまった。彼女が実の母から幼少期に受けてきたのは明らかに虐待であり、養父母も彼女をこき使うことしか考えていない。けれどもそんな過酷な人間関係の中でプライドを持ち続けること自体、奇跡としか思えない。決して恵まれているとは思えない結婚生活を切り抜けていくのも、商売を成功させていくのも、やはり彼女自身が持っている強さゆえなのだろう。

    自然を描写する文章の美しさと、人間の活写に引かれ、彼女の晩年も見てみたい気持ちだったが、かなり中途半端なところで終わってしまったなと、残念である。

  • こんな感じの女性は今でもいそうな気がする。誰と結婚しても満足することがないのは、志が高いと言うべきか、はたまた単なるわがままなのか。
     小野田さんはとても良い旦那さんだと思う。身体の相性がよくなかったのは残念だったけど。
     浮気を勧めておいて、そのくせ実際に浮気をされたら大暴れするのは、気持ちは分からなくもないが少々理不尽ですね。
     「情」はあるが「愛」はない。「愛」というのはぜいたく品だというのは、今も昔も変わらない事実なのだろうな、ということを考えさせられました。

  • Palmに入れた 「青空文庫」 の中から、60年程前に出版された(新聞に連載されたのは1915年から)、徳田秋声の 「あらくれ」 を読みました。
    自然主義文学を代表する一作、男嫌い、男勝りで評判の主人公、お島は 婚礼の当日、新しい生活を夢みて出奔します。当時の庶民の暮らしが物語に織り込まれていて面白いですが、映画化されたものを見た人はいても、今どき実際にこの本を読む人が年間何人いるか...本文は新聞小説なので意外と読みやすいですが、内容はすでに我々の理解の範疇を超えています。

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