美少女 [青空文庫]

  • 青空文庫 (1999年10月20日発売)
  • 新字新仮名
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青空文庫 ・電子書籍

感想・レビュー・書評

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  • この作品は私が読んできた小説の中で一番終わり方にわだかまりが残るというか、すっきりしませんでした。まあ太宰治さんらしいなと。登場人物の男が温泉に行ってとても美しい少女を見るところから始まります。自分が女性だからか、この美しい少女を眺める男の目線が少し気持ち悪いなと感じました。そのあとに散髪屋で偶然再会するのですが二人に会話はなく男が一方的にガン見しているだけです。これでお話が終わってしまいます。短編小説なので文字数に制限はあると思いますが、内容があっさりしていて、終わり方がざっくりだなと感じました。この作品の最後に「私は涼しく、大へん愉快であったという、それだけの悪徳物語である。」と書かれていますから本当に男の目線であったよこしまな出来事をただ日記にしてそれを小説化したみたいなもののようにも思えました。短編小説なだけあって読みやすかったです。小説を読むのが苦手な人は読みやすいと思うのでお勧めです。

  • 太宰治の小説はあまり読んだことがありませんでした。有名な小説の名前くらいは知っているくらいです。今回読みやすそうな短編小説を探して、この本にたどり着いたのですが、読み終わった後でもいまいち内容がつかめませんでした。「美少女」という作品の名前と内容がどのように関係しているのか、理解することが難しく感じました。このお話はある男が温泉で出会った美少女とのお話です。だけどこの二人は親交があるのではなく、男が一方的に見ているだけです。普段あまり本を読む方ではないので、短編小説というものを初めて読んでみて、不思議な世界観だなと思いました。読み終わっても本の内容は完全にはつかめませんでした。

  • 太宰治が生きた時代と、
    今の時代とは隔世の感がする、
    それを一番に思った作品だった。

    時代の流れ、そして進歩。。
    間違いなく戻れない、
    そして、二度と味わえない空間であり、美の世界。
    それら全ては、今、私たちが経験出来ない世界。。

    人間の「美」を、
    それぞれの姿に思うのであれば、
    この作品は、その思いの一つに応えてくれる、
    作品だと思う。

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著者プロフィール

太宰 治(だざい・おさむ):1909-1948。青森県北津軽郡の生まれ。本名津島修治。中学の頃より同人誌に習作を発表。旧制弘前高校から東大仏文科に進む。この間、左翼思想に傾倒。「魚服記」「思い出」でデビュー。戦中から戦後にかけて「ロマネスク」「富嶽百景」「お伽草子」「ヴィヨンの妻」など、次々と秀作を発表。流行作家としての栄光のさなかに自殺。

「2025年 『人間失格』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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