グッド・バイ [青空文庫]

著者 :
  • 青空文庫
  • 新字新仮名
3.94
  • (3)
  • (9)
  • (4)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 60
感想 : 6
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • 青空文庫 ・電子書籍

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 続きが普通に気になる。
    絶筆なのが惜しまれます。

    伊坂幸太郎の『バイバイ、ブラックバード』がこの物語をモチーフにしてるらしいので、読んでみたくなりました。

  • 伊坂幸太郎「バイバイ、ブラックバード」の元になったという本書。
    海外にいても青空文庫ですぐに読めるというのが便利だ。

    田島とキヌ子は確かに「バイバイ、」の星野一彦と繭美に相当することが分かる。
    未完とのこと、確かにこの先が気になる。
    (アンマンにて)

  • 伊坂幸太郎の『バイバイ・ブラックバード』を先に読んでいた。近代文学は文体がニガテだったけれど、これはすごく読みやすい。表現も気取っておらず、やや全体的にコメディタッチ。

    >すごい美人。醜くてすごい女なら、電車の停留場の一区間を歩く度毎(たびごと)に、三十人くらいは発見できるが(以下略)

    世の中の女性に対して、実に失礼である(笑)

    内容は、不倫して愛人が10人近くいるクズ男が、絶世の美女だが中身は残念な知人を細君と偽り、愛人と「グッ・バイ」する(お別れする)話。
    不倫している時点でクズ男なのだが、お別れする理由をキレイにしたい、愛人との関係はフェードアウトではなくけじめをつけたい、などと言う究極のクズである。(太宰の自伝的作品とのことなので、あんまりこき下ろすのもどうかと思うが)
    ただ、「細君役」の知人が、主人公からどんどんお金を巻き上げたり、ズケズケものを言う性格なので、イライラはしない。逆にスカッとする。

    絶筆なのが非常に残念な作品。

  • 太宰治の絶筆作品とは知らずに読んだので、
    未完であることに驚いた。
    とても面白くて、この作品の続きがとても気になる。
    是非完成させて欲しかった。

    女と別れたくても、体面を気にし綺麗に別れたいと
    悪足掻きするどうしようもないダメなクズ男。
    この男がこの後一体どうなるのだろうか?

  • かつて、「『グッド・バイ』は太宰治の未完の遺作であり、彼の自伝的作品である」という話を聞いたことがある。この作品の田島は、作者自身をモデルにして書いたところがあるのではないだろうか。
    主人公の田島は多くの愛人を持っていたが、郷里の妻子をこちらへ迎え入れようとしていた。キヌ子が物語中で言うように愛人たちと別れたければすっぱりと連絡を断てばいいのに、田島はすっきりとした別れ方をしたいと言う。「しかし、僕にとっては、本当に死活の大問題なんです。僕は、道徳は、やはり重んじなけりゃならん、と思っているんです。たすけて下さい、僕を、たすけて下さい。僕は、いい事をしたいんです。」 彼が「いい事」や「道徳」に非常に執着しているようすが非常に印象的であった。

全6件中 1 - 6件を表示

著者プロフィール

1909年〈明治42年〉6月19日-1948年〈昭和23年〉6月13日)は、日本の小説家。本名は津島 修治。1930年東京大学仏文科に入学、中退。
自殺未遂や薬物中毒を繰り返しながらも、戦前から戦後にかけて作品を次々に発表した。主な作品に「走れメロス」「お伽草子」「人間失格」がある。没落した華族の女性を主人公にした「斜陽」はベストセラーとなる。典型的な自己破滅型の私小説作家であった。1948年6月13日に愛人であった山崎富栄と玉川上水で入水自殺。

「2022年 『太宰治大活字本シリーズ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

太宰治の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×