雄志さんの感想
2016年4月2日
太宰の作品の中で一番好きな作品です。
samesakuraさんの感想
2022年7月16日
私は太宰治の作品をよく読みますが、その中でもこの作品はお気に入りです。なぜなら、太宰治作品の特徴の一つである、作者自身の卑屈さや暗さがよく表れているからです。この作品の主人公は「太宰治」がペンネームの男性であり、このことから主人公の心情は概ね作者自身のものだと思われます。作家という職業柄か、主人公は皮肉屋で何処か斜に構えたところがあります。後から登場する青年たちも負けず劣らず個性的な子たちです。全員自分事を賢いと思っていそうな口ぶりに、思わず笑ってしまうのではないでしょうか。登場人物同士の掛け合いが軽快で、文章量も少ないためさっくりと読めます。空いた時間に是非読んでみてください。
明治42年(1909年)青森県生まれ。小説家。1935年、「逆行」が第1回芥川賞の次席となり、翌年、第一創作集『晩年』を刊行。『斜陽』などで流行作家となるが、『人間失格』を残し玉川上水で入水自殺した。「乙女の本棚」シリーズでは本作のほかに、『待つ』、『女生徒』(以上、太宰治+今井キラ)、『魚服記』(太宰治+ねこ助)、『葉桜と魔笛』(太宰治+紗久楽さわ)がある。 「2023年 『駈込み訴え』 で使われていた紹介文から引用しています。」