高野聖 [青空文庫]

  • 青空文庫
  • 新字新仮名
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感想・レビュー・書評

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  • けっこうルビふりまくりで、なんだか何言ってるんだか分からーん、って言いたくなるけど、意外やけっこう読める。というか、難しい感じやら使っているように見えて、けっこう口語調なんだわなぁ。これ、古文専門家には常識なんか。
    しかし名前だけ聞いたことのあったこのお話が、よもやのエロジジイ話だったとは、聖の名前が泣ける。まぁでもガンジーも若いころはブイブイ言わしていたらしいし、こういう経験があったこそ、ってところかね。

  •  泉鏡花は浪漫や幻想・怪奇で知られており、この小説はその鏡花の代表作である。
     主人公「私」が旅の途中で出会った僧である宋朝の不思議な体験を聞くという作りになっている。ほとんどが宋朝の語りであるため、あたかも自分がその世界を体験をしたかのように読み進めることができると感じた。
     この『高野聖』は幻想小説として有名な作品であるが、私は幻想小説という名前は知っていてもその意味は理解していなかった。幻想というと明るいイメージの、ゲーム世界のようなファンタジーが連想されたが、この小説が書かれた時代にそのような面での空想があるわけがないだろうと考えなおしこの小説を読んだ。
     小説を読んでいる間、この小説の中で幻想的と称される場面はどこなのだろうと考えていたが、やはり蛭が住む森での蛭の描写や、宋朝が川で女に魅了される場面なのだろうと思った。最初の部分は地名などが書かれており比較的現実味を帯びた話として読み進めていたが、話が進行するにつれてどんどん現実味が無くなってくる。薬売りを追いかけておびただしい数の蛭が住む森、その森を抜けた先の一軒家で出会う女と一緒に住む白痴の男、女に魅了される宋朝、女の隠された秘密を知り逃げる宋朝、と話が進むにつれて非現実的になってゆき、幻想と言われる所以はここにあるのではないかと考える。
     固い表現で読みにくい部分や、血生臭いような生々しい表現があったため、私自身も読み進めることが難しいと感じる部分もあったが、泉鏡花の幻想とは何かをぜひ読み取ってほしいと思う。

  • 読みやすかったけど、頭の中で文章が滑って理解しづらかった。

    作者は潔癖症で有名ですが、蛭の描写がめちゃめちゃリアルというか気持ち悪かったです。
    嫌いだからこそ、ああいう風に書けるのかな。

    合わない文章でした。

  • 蛭が降る森でぞわっとして、その後の家でのシーンで色々ドキドキした。エロ怖くて面白かった。

  • 本人は何も無くて良かったね,なのだが,それ以外の人の運命と,そしてそれがこれからも続くことを考えると,ちょっと恐い

  • LibriVox で全文の録音を聴くことができます。
    https://librivox.org/kouyahijiri-by-kyoka-izumi/

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著者プロフィール

(いずみ・きょうか)
1873年金沢市生まれ。1893年、「京都日出新聞」の「冠弥左衛門」連載でデビュー。主要な作品に、「義血侠血」(1894)、「夜行巡査」(1895)、「外科室」(1895)、「照葉狂言」(1896)、「高野聖」(1900)、「婦系図」(1907)、「歌行燈」(1910)、「天守物語」(1917)などがある。1939年没。近年の選集に、『泉鏡花集成』(ちくま文庫、全14巻、1995-1997)、『鏡花幻想譚』(河出書房新社、全4巻、1995)、『新編 泉鏡花集』(岩波書店、全10巻+別巻2、2003-2005)、『泉鏡花セレクション』(国書刊行会、全4巻、2019-2020)など、文庫に『外科室・天守物語』(新潮文庫、2023)、『高野聖・眉かくしの霊』、『日本橋』(ともに岩波文庫、2023)、『龍潭譚/白鬼女物語 鏡花怪異小品集』(平凡社ライブラリー、2023)などがある。

「2024年 『泉鏡花きのこ文学集成』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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