夫婦善哉 [青空文庫]

著者 :
  • 青空文庫
  • 新字新仮名
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レビュー : 5
  • 青空文庫 ・電子書籍

感想・レビュー・書評

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  •  読んだとき最初に感じたのは、グルメ小説というより、近代日本文学ーー純文学で模範とされる私小説的リアリティーを追及した小説だということです。

     出会いから初老になるまでの夫婦の半生を描いた作品。主人公夫婦はヒロイックファンタジーに出てくるヒーローやヒロインとは真逆の、どこにでもいる平凡なダメ男とダメ女。既婚の柳吉が不倫し、うどん屋の娘で芸者の蝶子と駆け落ち。大阪に戻って、男は様々な商売を始めますが、どれも中途半端で店をつぶします。しかし悪い事ばかりでなく、親戚の遺産でまとまった金が入るなど、山あり谷ありの人生。

     ラストシーンの蝶子の台詞「一人より女夫の方がええいうことでっしゃろ」は、倦怠期をとうに過ぎ、人生の酸いも甘いもかみ分けた熟年夫婦へのエールと読みました。

     しかしながら、放蕩亭主にひたすら耐える女房の悲劇、といった単純な論評でおさまりきらない私小説ワールドのリアリズム。これが「夫婦善哉」執筆時の、作者、織田作之助の企みだったと推測します。

  • 繰り返し読んでる
    今年に入ってからも読みました
    何度読んでもしょうもない話だ最高だ

  • カレー通の中では、大阪・自由軒のシーンが有名な作品。通して読んでみると、いかにも大阪らしい商人話の展開に納得。ダメ男にしっかり女という男女が惹かれあう不合理性にフィクションを超えた不可思議さを覚える。

  • 「大阪学」という本で言及されてて気になったので、青空文庫で読んでみた。ダメ夫って好きじゃないんだけど、意外と抵抗なく読めた。スマホを買って、アプリを入れてから、青空文庫がとても読みやすくなり、読むことが多くなった。

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著者プロフィール

1913年10月、大阪市生まれ。1933年から創作活動を開始し、1938年に小説「雨」を発表。1940年に「俗臭」が第10回芥川賞候補となる。同年に発表した「夫婦善哉」が改造社の第1回文藝推薦作品となり、以降、本格的に作家活動を開始。1946年4月に発表した「世相」が評判を呼び、作品発表の機会が劇的に増えるも、1947年1月、肺結核のため東京にて死去。その直前に評論「可能性の文学」を発表し、作風の転換を図っていた矢先のことだった。太宰治、坂口安吾らと共に「新戯作派」「無頼派」と呼ばれ「オダサク」の愛称で親しまれた。

「2019年 『織田作之助 女性小説セレクション 怖るべき女』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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