狐憑 [青空文庫]

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  • 青空文庫
  • 旧字旧仮名
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  • 「光と風と夢」の直後に読んだので、その落差にくらくらきた。


    語り部がひたすら書き続けながらも他方現実と格闘し、その行動を尊ばれる話(「光と風と夢」)と、語りしかしなかった穀潰しとして食らわれるこの話。よく考えればコインの表と裏なのかも知れないけれど。

  •  彼は生まれる時期を間違えたのか……?
     小説家は妄想家と紙一重な存在かも知れないし、そういわせるのは社会の所為にあると思った。小説家という仕事がなければ、ただの働かざる虚言癖を持つ廃人と呼ばれていたかもしれない。社会が作り出す病とリンクするかも。

  • 水上生活を営む部族の男シャクに憑きものがした。他部族との戦で喪った弟が憑いたのだろうと当初は思われていたが、そのうち鳥や獣や他人のことなどを語るようになり評判を呼ぶ。やがて本人も周囲も、実はシャク自身が考えて喋っているのだろうと気付くが、それも一種の憑きものなのだろうということになる。そうして暫く暮らしていたが、シャクは次第に何も語らなくなり、そうかといって働くでもなく、予てから彼を面白く思っていなかった部落の有力者達は、占い師を買収してまでシャクを『処分』する。彼は食料として大鍋で煮られて喰われ、骨は湖に捨てられる。そういう話。色鮮やかに情景が見えるようで、文章が『活きている』と感じる。ラストが衝撃的過ぎてビックリしたが、何だか好きな話。

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著者プロフィール

東京四谷に生まれる。昭和8年、東大国文科卒。横浜高女で教鞭を執りつつ、作家を志し、「山月記」等発表。昭和17年12月、33歳の若さでぜんそくの悪化により夭折。死後に「弟子」「李陵」などが発表され、その異才が惜しまれた。

「2020年 『文字禍・牛人』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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