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青空文庫 ・電子書籍
halさんの感想
2013年8月5日
学問に秀で、将来を嘱望される安井仲平。彼の容姿のまずい事もまた同様に評判であった。仲平はお佐代という嫁をとり、淡々と日々を暮らし、やがて一生を終える。 一言で言って地味な話。仲平の縁談話は、最初はお佐代の姉お豊に持ち込まれたものであったが、姉がきっぱりと断ったのを、妹が自分が嫁ぎたいと申し出てまとまった。話はそこから姉妹の関係とかそれぞれの本心とかにシフトするかと思いきやそんなことはなく、姉はその後一切出てこないし、妹の心理描写も皆無。むしろそのエピソード何だったのと思うくらいだ。タイトルも安井仲平物語とかにしたほうがいい。鴎外にとって女性って何なのかな。
森鷗外(1862~1922) 小説家、評論家、翻訳家、陸軍軍医。本名は森林太郎。明治中期から大正期にかけて活躍し、近代日本文学において、夏目漱石とともに双璧を成す。代表作は『舞姫』『雁』『阿部一族』など。『高瀬舟』は今も教科書で親しまれている後期の傑作で、そのテーマ性は現在に通じている。『最後の一句』『山椒大夫』も歴史に取材しながら、近代小説の相貌を持つ。 「2022年 『大活字本 高瀬舟』 で使われていた紹介文から引用しています。」