栗の花の咲くころ [青空文庫]

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  • 青空文庫
  • 新字新仮名
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  • この人は農民を軸にした人情ドラマと猟奇ドラマを緊張感たっぷりに描き分ける。
    ここまで農民層にこだわった作家とは初めて出会った。
    本編は代々庄屋だった没落家に生きる頑固一徹な男の父性愛を描いた秀作。
    伏線としてはよく見聞きする展開ではある。
    似合わぬ髭面にプライドを捨てきれず、娘のため家族のために必死に生きて愛して。
    時代も境遇もまったく異質だが、この真っ直ぐな親の子に対する情愛は我が身にも迫る。

    読了後はまさに、"濡れ葉がぱらぱらと顔に触れ"、"栗の花の香が鼻に沁みた"。

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著者プロフィール

1900年4月14日、宮城県一栗村(現・大崎市)生まれ。本名・佐々木熊吉。村立上野目尋常高等小学校を卒業後、文学に親しみながら機関夫として北海道で働き、17年に上京。さまざまな職に就き、雑誌『文章倶楽部』の編輯助手を経て、24年の秋に新潮社の正社員となる。新興芸術派の一人として農民文芸界に所属し、加藤武雄に兄事しながら農民文学の旗手として「都会地図の膨張」(30)や「黒い地帯」(同)など都会の喧噪に侵食される農村の悲劇を描いた短編を精力的に発表、作品は映画化もされた。日本初の書下ろし長編探偵小説だけで構成された叢書「新作探偵小説全集」の企画者として自身も探偵小説「狼群」(33)を執筆するが、執筆中の1933年3月13日、病によって急逝。遺作となった「狼群」は同僚の奥村五十嵐によって補筆され、「新作探偵小説全集」第4巻として刊行された。

「2021年 『佐左木俊郎探偵小説選 Ⅱ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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