私の個人主義 [青空文庫]

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  • 青空文庫
  • 新字新仮名
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  •  夏目漱石の学習院での講演の記録。
     いや熱い!
     漱石先生ってなんとなくクールなイメージだったのですが、こんなに熱い方だったのですね。
     そういや『坊ちゃん』の主人公も熱い男でしたもんね。

     特に前半、「自分の進みたい道へ突き進め」といったような内容なのですが、この語り口が熱すぎでした。
     ネットの世界ですっかり迷子の僕ですが、なんだか勇気を頂いたような気がしました。

     後半はやや冷静になって、「個人主義は大切だけど、それを主張する上での注意点」といったところでしょうか。
     このバランス感覚が、さすが漱石先生と思いました。

     また、百年近く前の講演の記録が今も色褪せずに残っていることに感動しました。
     少し時間をおいて、再読してみたい一冊でした。

  • 学習院での講演録という形の評論.2部に分かれていて,前半は話者自身がどのようにして自身の個性を見出したかを引き合いにしながら,幸福な…というより憂いの少ない人生を送るためには,既存の思想や価値観への安易な迎合を避け,自身にとって向いている・よいと思えるものを根気よく探し続けることが必要であり,またそうしたものが見つかれば,それ自体が他者からの影響をものともしないような自信にも繋がってくるのではないかと説く.後半では,そうした個性の探求・追求という点で人は自由の身であるが,その自由を謳歌するにあたっては,他者の自由も同様に尊重するという条件が常に付帯して然るべきである,と説く.
    直接このように述べているわけではないが,話者は他者に対する自由の尊重を説く背景として,他者の自由を尊重しない者は他者からも自身の自由を尊重されないであろうから,という,何と言うか不安主体の理由付けではなくて,自信を持って表に出せるような個性の確立には,相応の労力と苦難が伴うものであるから,その内容がどうかとは別の問題として,そうした労力とか苦難に対して敬意を払うべきで,それが他人の自由を尊重する礎にもなりうる,といったような考え方を持っているように私には読み取れた.その上で,人を目標として向背を決する前にまず理非を明らめて去就を定める,というのは一つ,話者が一連の主張の根幹に据えているものでもあり,そういう点からすると「個人主義」よりはむしろ「合理主義」と言ったほうがより正確なようにも見受けられる.

  • 団体主義と個人主義。
    とても素晴らしい講演。
    やはり、社会の中で、人の間に住まう限りは、
    周囲の人の意見や行動が気になるのは
    ある種の人情かもしれませんが、
    私も自由なら、あなたも自由である、
    そして互いに互いを認め合うし、極力妨げ合わない。
    そのくらいの分別は、わきまえていたいものです。

  • 20120323読み終わった

  • 平野 啓一郎氏の「私とは何か」からフックして一気に。漱石先生の講演録。前半のまえふりが長い気がするけど当時の臨場感が出ている感じで良かった。

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著者プロフィール

夏目漱石
小説家・英文学者。1967年(慶応3年)東京生まれ。帝国大学を卒業後、教師となる。1900年(明治33年)にイギリスに留学し、帰国後の1905年(明治38年)に処女小説『吾輩は猫である』を発表。1907年(明治40年)に新聞社に入社し、以降職業作家として活躍した。1916年(大正5年)に胃潰瘍により死去。享年50才。代表作に『坊ちゃん』『三四郎』『こゝろ』『明暗』などがある。

「2022年 『夢十夜』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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