三四郎 [青空文庫]

著者 :
  • 青空文庫
  • 新字新仮名
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本棚登録 : 61
感想 : 10
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  • 青空文庫 ・電子書籍

感想・レビュー・書評

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  •  本書は、主人公の「三四郎」とそれを取り巻く人々が三人称の語り口で書かれている、青春物語である。
     大学進学のために進学した平凡な大学生、三四郎は上京先で「佐々木」や「野々宮」といった人々と交流を深め、「美禰子」という女性に恋をする。不器用な三四郎は劣等感や戸惑いを感じながら、友情や恋に惑わされる日々を送る。
     三四郎の思春期特有のアイデンティティの確立による葛藤は共感せずにはいられない。他人と自分とを比較し、自分の心打ちも他人の心の内がわからなくなる様は誰しもが経験することである。実際に作者である夏目漱石も帝国大学を卒業しており、三四郎と同じく大学生活を過ごしている。作者も物語の主人公と同じく、この年代特有の葛藤に悩みながら学生生活を過ごしたのが見て取れる。また、この物語は三四郎、野々宮、美禰子の三角関係が書かれており、このことから実際に漱石が結婚後も大塚楠緒子という女性を思い続けていたということとつながってくる。思春期の心の葛藤を切なく、そしてさわやかに書かれている小説であった。

  • 三四郎がとても純粋。美彌子さん、途中までは絶対三四郎が好きだったのに…と思った。
    珍しくラストも歯切れが良かった。全体的なイメージとしては「青春しちゃってるね!甘酸っぱいね!」って感じ。なんだか夏目漱石に対するイメージが、良い意味で変わった(*^^*)

  • 登録忘れ。
    青春恋愛小説?素朴で良いと思いますが,ちょっと若いかな。小説の中には,主人公の年代が気になるものとそうでもないものがあり,これは前者。
    明治の学生生活の雰囲気に触れるのは好奇心をくすぐられるものではある。
    漱石を読むといつも同じ感想を抱くのだが,日本人は(人間は?)この頃から変わってないなぁ,と。

  • ストレイシープ

  • 青空文庫からダウンロードして読んだ。
    昔一度読んだが改めてまた読んでみた。
    あまり大層な内容ではなく、熊本から東大に来た学生の日常を切り取った話しである。
    周りには個性的な面々がおり、様々な出来事が起き、それを本にしたもの。
    終りかたがちょっとイマイチと思う。
    三四郎が恋い焦がれいる美禰子と言う女性が勧められた縁談の通り結婚してお終いである。

  • 若者のアイデンティティは、はっきりと分裂する。
    どこに身を置けばいいものか当人は戸惑う。
    それらは全てが現実で全てが自分自身なのだ。

    三四郎は明治40年代に青春を謳歌した。
    それから幾年過ぎた現在も、若者は悩みながら自分と外との折り合いを探し続けている。

  • 三四郎のうぶさがたまらなかったです。

  • 20120323読み終わった

  • 初読。新しい女性像、美しい風景描写。ゆるゆるとした学問をしてみたくなる。

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著者プロフィール

1867(慶応3)年、江戸牛込馬場下(現在の新宿区喜久井町)にて誕生。帝国大学英文科卒。松山中学、五高等で英語を教え、英国に留学。帰国後、一高、東大で教鞭をとる。1905(明治38)年、『吾輩は猫である』を発表。翌年、『坊っちゃん』『草枕』など次々と話題作を発表。1907年、新聞社に入社して創作に専念。『三四郎』『それから』『行人』『こころ』等、日本文学史に輝く数々の傑作を著した。最後の大作『明暗』執筆中に胃潰瘍が悪化し永眠。享年50。

「2021年 『夏目漱石大活字本シリーズ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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