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青空文庫 ・電子書籍
感想・レビュー・書評
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作品名: 一握の砂
作品名読み: いちあくのすな
著者名: 石川 啄木
図書カード:No.816
なくなりつつ日本の原風景が、目の前によみがえってくる
停車場の雰囲気、季節の移り変わり
言葉には全部だせそうもない、その場の想い
五七調の言葉が、心に静かにしみていく
寂寥たる景色の中、万葉のような素朴な味わいが心地よいです
気になった言葉、懐かしい言葉は次のとおりです。
東海の小島の磯の白砂に
われ泣きぬれて
蟹とたはむる
ふるさとの訛なまりなつかし
停車場の人ごみの中に
そを聴きにゆく
こころよく
我にはたらく仕事あれ
それを仕遂しとげて死なむと思ふ
たはむれに母を背負せおひて
そのあまり軽かろきに泣きて
三歩あゆまず
こころよき疲れなるかな
息もつかず
仕事をしたる後のこの疲れ
いのちなき砂のかなしさよ
さらさらと
握れば指のあひだより落つ
ただひとり泣かまほしさに
来て寝たる
宿屋の夜具のこころよさかな
はたらけど
はたらけど猶わが生活くらし楽にならざり
ぢっと手を見る
わがこころ
けふもひそかに泣かむとす
友みな己が道をあゆめり
目次
我を愛する歌
煙
秋風のこころよさに
忘れがたき人人
手袋を脱ぐ時
底本データ
底本: 日本文学全集12 国木田独歩・石川啄木集
出版社: 集英社
初版発行日: 1967(昭和42)年9月7日
入力に使用: 1972(昭和47)年9月10日第9版
底本の親本: 一握の砂
出版社: 東雲堂書店
初版発行日: 1910(明治43)年12月1日詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
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