月に吠える 02 月に吠える [青空文庫]

  • 青空文庫
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  • 「詩とは感情の神経を掴んだものである」
    詩とは何なのかがとても分かり易く書かれてある。

    「私は私自身の陰鬱な影を、月夜の地上に釘づけにしてしまひたい」
    月に吠える犬、疾患した青白い犬。
    ぴくぴくとまだ脈打つ釘付けされた影を見たよう。
    ゆらゆらと無数に生まれ蠢く春の歌たちが好きに思った。
    生暖かい何かが私の影にも寄り添い、そっと肩を抱かれなぐさめられたような心持になり、涙が止まらなかった。

  • 序には"「詩」とはなんぞや"と。詩の表現の目的とは。詩とは感情の神経を掴んだものであり、生きて働く心理学である。リズムは以心伝心である。詩は人間の言葉で説明することの出来ないものまでも説明できてしまうので、言葉以上の言葉でもある。
    再版の序には、再版に至った理由などが語られており、それまでは自分のものぐさで絶版のままにしていたが、古本屋が定価より高く売っていたのと、熱心な読者により再版が決定したとのこと。
    「詩」は文芸の仲間に入れられなかった。が、この詩集によって詩のスタイルが確立され、詩の新時代を作ったのである。
    /////
    底本「現代詩文庫 1009 萩原朔太郎」思潮社
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    詩集例言
    過去三年以来の創作九十余篇中より叙情詩五十五篇、長篇詩篇二篇を収録。
    「地上巡礼」「詩歌」「アルス」「卓上噴水」「プリズム」「感情」、地方雑誌に掲載した作品を抜粋。機会がなくて発表出来なかったものも。
    詩稿は推敲を加えて収録。
    室生犀星「健康の都市」寄稿※著作権保護により掲載無し

  • 詩を書ける人は言葉とイメージとを結びつける独特な能力があるに違いない.

    「雲雀料理」すてきです.

  • いちど、図書館で借りたが、再び読みたくなったので、青空文庫さんにお世話になった。
    この人の詩の繰り返す部分が好きだ。探偵の詩がいくらかでてくるが、ミステリ好きには邪推してしまう。ずっと雲雀が何かの暗喩で出てくるが、長編詩を読んで納得した。啄木の詩集も同時期に読んだが、二人の共通点は多そう。罪悪感。生への思い。悲しみ。人とは違う己の感性。もう少し他のも読み進めてみる。

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著者プロフィール

萩原朔太郎
1886(明治19)年11月1日群馬県前橋市生まれ。父は開業医。旧制前橋中学時代より短歌で活躍。旧制第五、第六高等学校いずれも中退。上京し慶応大学予科に入学するが半年で退学。マンドリン、ギターを愛好し音楽家を志ざす。挫折し前橋に帰郷した1913年、北原白秋主宰の詩歌誌『朱欒』で詩壇デビュー。同誌の新進詩人・室生犀星と生涯にわたる親交を結ぶ。山村暮鳥を加え人魚詩社を結成、機関誌『卓上噴水』を発行。1916年、犀星と詩誌『感情』を創刊。1917年第1詩集『月に吠える』を刊行し、詩壇における地位を確立する。1925年上京し、東京に定住。詩作のみならずアフォリズム、詩論、古典詩歌論、エッセイ、文明評論、小説など多方面で活躍し、詩人批評家の先駆者となった。1942年5月11日没。

「2022年 『詩人はすべて宿命である』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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