雄志さんの感想
2017年3月26日
帰ってこない父親。生活が変わっても刺繍を続ける母親。 母親が(おそらく)他の男と関係を持っている光景を見てしまった米。 米が一番健気で、それでもって母親の暗闇の部分を恐れている。でも、一番苦しいのは母親なのだろう。 家庭を明るくする火は、暗闇を暴き、浄化することはでき得るか……。
明治31年(1898年)福島県生まれ。早稲田大学政治経済学部除籍。菊池寛に師事し、『蠅』と『日輪』を同時期に発表してデビュー。「文学の神様」とも称された。代表作に、『機械』『旅愁』などがある。 「2021年 『春は馬車に乗って』 で使われていた紹介文から引用しています。」