いなか、の、じけん [青空文庫]

  • 青空文庫 (2000年1月13日発売)
  • 新字新仮名
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青空文庫 ・電子書籍

感想・レビュー・書評

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  • 同時期のプロレタリア文学を読んだ後に読むと、この人の作品は本当に古さを感じさせないなぁと思う。それが一番のミステリー。

    田舎というのはどうやら筆者の故郷らしく、そこで聞いてきた実際の出来事を描いた、田舎ならではの空気感満載でお送りする短編集。1話1話が超短い。
    ちょっと間抜けでほほえましい(?)話から不可思議な殺人事件まで、夢久ワールド。

    そういえば、実家で取っていた新聞の県内版ページに、お間抜けな事件を扱ったコーナーがあったなぁ。ちょうど、この短編の「大きな手がかり」「勘違いの勘違い」みたいな。

    夢野久作初心者さんにもおすすめな作品。

  • 久しぶりに青空文庫をのぞいたら、新しいブラウザー(?)の導入をしていて、XTML版しか読めなかったころに比べて、ものすごく読みやすくなった。でもやっぱり、どうもクリックしてページをめくるというのが慣れないし、頭に入らない。
    夢野久作氏が自身の故郷で見聞きしたたくさんの出来事。純粋無垢が引き起こすもつれから起こる殺人、なんだか笑ってしまうような事件、猟奇的で残酷な事件…
    今回は独白でも書簡でもなく、三人称視点で事件を描き出す。多くを語らず、三人称視点で淡々と事件を描き出しているようだが、事件を形作るのが主にひとの言葉、うわさであるというところが、単にこの作品を断片的な短編集にとどめない点だと思う。
    事実と虚構の境界をわざと溶かし、ことばの魔術に鮮やかに落とし込む詐欺師のような夢野氏。時代の先を行き過ぎてしまって、当時の作家とはやはり一線を画している。

  • なんだか間抜けなだけの話から、田舎特有の奔放さの産んだ悲惨な事件まで色々なショートショート
    なんかオチの付いてない状態で終わってるものも多く特に面白さは感じない。
    北九州と聞いてなるほどあそこは昔から変わらんのだなぁと思わせる内容

  • 夢野久作の郷里、北九州の某地方で実際にあった(らしい)事件をモチーフにしたショートショート20編。
    ぞっとするような不気味な事件もあれば、思わず笑ってしまうようなおとぼけ事件もあり、昔版の三面記事特集本みたいで面白かった。

  • 地元の夢野の本、おかしな事件の拾い書きだが、時代を感じる内容です

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著者プロフィール

1889(明治22)年〜1936(昭和11)年、福岡県福岡市生まれ。小説家。幼名は直樹。海若藍平、香倶土三鳥、杉山萠圓など複数の名義がある。祖父杉山三郎平の教育により弘道館記述義、四書五経、謡曲、仕舞を学ぶ。1915年、喜福寺にて出家し杉山泰道へ改名。1917年より雑誌『黒白』などにエッセイを寄稿しはじめる。1920年に九州日報社に入社。童話などを本紙に発表。1924年に一度退職するも、翌年に戻る。1926年に『新青年』で募集された懸賞に「あやかしの鼓」が二等で入選。文壇デビューを果たす。1929年『押絵の奇蹟』発表。1933年『氷の涯』発表。1935年『ドグラ・マグラ』が松柏館書店より刊行。1936年、脳溢血のため逝去。

「2025年 『怪夢 夢野久作 狂気ト理知ノ傑作集』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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