オシャベリ姫 [青空文庫]

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  • 青空文庫
  • 新字新仮名
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感想 : 6
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感想・レビュー・書評

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  • かぐつちみどり名義で、童話調をとっているが、夢と現実の境、嘘と本当のことばの応報、語りによる世界の構成、夢野久作の妙技。
    オシャベリを戒めるというよりは、オシャベリそのものに迫る。独白形式や書簡形式で外堀を埋めていく夢野久作スタイル対して、夢と語りで描き出す。ところが第三者の視点を持ち出してしまうと、ある意味ではそこに現実味という絶対性をもたらしてしまい、本来の不可思議な在り方を描けなかったのだろう。
    そういったことを鑑みて、夢の夢の夢…のようなややこしい語り方をとったのだと思う。
    彼のことばに触れるたび、彼と対話がしたくなる。

  • まず、一言で表現するとオシャベリ姫が災難な目に遭うお話です。オシャベリ姫という言葉を聞いて絵本のようなファンタジー要素が多く含まれるのではないかと予想していましたが、奇妙で少し話がややこしくなりながらも楽しめる事が出来ました。少し気味の悪いような描写やオシャベリ姫に呆れる所もあり、今までにないような夢野久作の作品でした。オシャベリ姫はプリンセスなので、前半ではよくある不思議の国のアリス物語ながらも後半ではグリム風の物語でこれはもはやディズニープリンセスと思わせてくれるような作品でした。お姫様と王子様の物語でやり取りもドラマチックでありながら、オシャベリ姫のおしゃべりが原因で起きた出来事であり、おしゃべりのしすぎは良くないという童話の話。最後の結末はハッピーエンドなので子供から大人まで幅広い年代で楽しめる作品の一つである。奇抜な世界観の面白さをどう表現するのかにも注目でき、オシャベリ姫と一緒に冒険できる世界観が魅力の作品でした。是非絵本が好きな方、ファンタジー要素を求めている方にとっておきの作品です。もっと詳しくお話すると、夢野久作の代表作品「ドグラ・マグラ」からの虜の人達からすると後半がちょっと物足りない内容だと納得いかない人達がいるかもしれません。しかし、ドグラ・マグラ好きな人にだからこそ、分かるあの怪奇味と幻想性の色濃い作風に最後は"やっぱり夢野久作の作品だ”と納得できる要素が沢山含まれていました。結果的に、人を傷つけてはいけないという教訓に気付かされる作品なので、誰かの事を差別したり、人を楽しませない嘘はいけなかったり、基本的に口数が少ない方が得だったりする様々な観点から視野を広げて物事を見た方が得する場合が一番有利であることを教えてくれる作品でした。ただのファンタジー要素と単純に読む世界観なのではなく、様々な観点から"こういう風に物事が見れる”と気付かせてくれ、人間性も重要視されるものでありました。私個人の思った感想なので、人それぞれ様々な思いがあるという風に考えるので、私個人の感想に付き合って下さりありがとうございました。

  • 夢野久作作品の特徴は、独特の世界観が広がっていると思った。この作品は、何でもしゃべってしまうがために「オシャベリ姫」と呼ばれるようになったお姫様のお話だ。『オシャベリ姫』のテーマというか、教訓というかはとてもわかりやすいものだった。すなわち「口は災いの元」ということでよいと思う。おしゃべりが大好きで、そのおしゃべり好きが災いとなって降りかかってくるわけですが、しかし最後は災い転じて福となってよかったね、などと単純な感想を抱いた。

  • オシャベリが過ぎるとろくな事にならんよ!という、なんだか童話チックなお話。
    うるさい生き物として雀と蛙が選ばれてるのが時代というか。いや今も田舎はそうかな。でも個人的にはカラスとセミじゃね?雀のチュンチュンは許せるけどカラスはダメだ、ゴミ漁るしな。
    でも口ナシ族がなにげにホラーで、脳内で映像化したらヤバイ。って想像してたら実はホラー小説ではないかという気もしてきた。

  • 2019年3月のブンゴウメールにて読みました。
    オシャベリ姫に呆れつつ、姫が訪れる不思議な世界にわくわくしました。
    そして大団円。良かったです。

  • グリムっぽいと思ったのが第一印象。王子様と最終的には結婚するし。
    夢野久作らしいなと思うのは、時々オドロオドロしさがあるところか。カエルの大群口なしの人たちや蜘蛛などなど……。
    クチナシ国では口がある方が不具とするあたり、芥川の河童を思い出させる。

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著者プロフィール

1889年福岡県に生まれ。1926年、雑誌『新青年』の懸賞小説に入選。九州を根拠に作品を発表する。「押絵の奇跡」が江戸川乱歩に激賞される。代表作「ドグラ・マグラ」「溢死体」「少女地獄」

「2018年 『あの極限の文学作品を美麗漫画で読む。―谷崎潤一郎『刺青』、夢野久作『溢死体』、太宰治『人間失格』』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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