作品名の通り、飲んだら若返る薬のお話である。
主な登場人物は、太郎さん、太郎のお祖父様、老人の乞食。
太郎さんが親から貰った空気銃で毎日雀を撃って、一匹も当たらないうちに弾が無くなり、お祖父様から三粒の赤い丸薬(風邪薬)を盗んで弾代わりに使ってしまう。しかし三粒とも雀には当たらない。外へ出て雀に当たらなかった丸薬を探しに行ってみると、そこには一人の老人の乞食がいて三粒の丸薬を不思議そうに見ていた。太郎さんが乞食に「それは僕のだから返してくれ」と言うが乞食は空から降ってきたのを私が拾ったのだと言ってなかなか返そうとしてくれない。太郎さんは仕方なく、お祖父様から盗んだ薬であることを乞食に話す。すると乞食はこの丸薬は飲んだら若返る薬だと言い、そんな大切な薬を空気銃の弾代わりに使う乱暴な坊ちゃんに返すわけにはいかないと言う。太郎さんは泣いて乞食に謝るが返してくれそうもない。それどころか私が飲んでしまいますと言って薬をペロリと飲み込んでしまう。三粒飲んだところで乞食は消えてしまったのだ。太郎さんは急いで家に帰りお祖父様に自分のしてしまったこと、先ほどまでの出来事を泣きながら話すと、太郎さんの父と母は太郎さんの話を信じないで笑いものにする。しかしお祖父様だけは笑わずに、「どんなものでも間違った使い方をしてはならないということを太郎は学んだのだ。」と言う。
あらすじを要約すると、お祖父様の風邪薬を勝手に盗んで空気銃の弾代わりに使ってしまった太郎さんが、どんなものもあるべき用途を守り決して間違えた使い方をしてはいけないことを学ぶお話である。