少女病 [青空文庫]

著者 :
  • 青空文庫
  • 新字新仮名
3.50
  • (3)
  • (4)
  • (7)
  • (2)
  • (0)
本棚登録 : 40
感想 : 10
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • 青空文庫 ・電子書籍

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 主人公がまだ40歳前と思われるのに老人ぽい悔恨を述べるので、当時の平均寿命を調べてみてびっくり!なんと、明治はおろか昭和の初期でさえ、平均寿命は40歳代を超えないのですね。それにしても、悪いことをしたわけでもないのに、あの結末とは!田山花袋はどんな人かと思いました。

  • ロリコン匂いフェチのおじさんの話。
    ラストが唐突すぎて3回くらい読み直した。

  • あっけなくてびっくりした

  • この本は田山花袋の欲望を詰め込んだ内容になっていると思う。もし今の時代に出版しようものなら確実にコンプライアンスに引っかかるだろう。しかしこの本が実際に出版された時代もあまり世間からは受け入れられなかったそうだ。このように自分の欲望を写実的に書くことは当時の人から見ても奇抜とされていた。
    主人公は妻子がいるのにもかかわらず、妻の古典的な姿をつまらなく感じ自分の仕事にもやりがいを感じず、毎朝通勤電車にいる若い女性たちを性的な目で見て、着物の中を想像するのが楽しみだったらしい。私はこの気持ちの悪さが面白いと思った。。人間誰もが持っているであろう人には言えない汚い欲望をここまで正直に書けるところに清々しささえ感じた。そして同時にこの本から当時の女性に求められるものの変化を感じ取れて、もしかしたら当時はこの主人公のように思っていた男性が少なくはないのかもしれないとも思った。

  •  衝撃の結末。
     
     迷える自然主義の産物なのか。あるいは説話として書いたのではと勘ぐりたくもなるような、そんな最後の突飛さ。

     ん、ユーモア小説を志向していたのかも?

     「ほしいままなこと」


     

  • 文学作家くずれの主人公が、道行く少女を眺めては妄想に耽るヤバイ短編。代表作『蒲団』といい、田山花袋って本人もこんな人なのかなと思わされる。だとしてもどうでもいいが。ラストが唐突過ぎるが、そんなのも含めて本当どうでもいい。

  • タイトルに惹かれて読んだ初の田山花袋作品。
    電車での通勤時間に少女を盗み見ることを日々の楽しみとしたり、
    近くの立つ女性の髪の匂いを嗅いでみたり、
    気になる女性のあとをつけて家を確認してみたり、
    若い頃にもっと肉欲に溺れていれば良かったと思っている、
    そんな男の欲望に忠実な主人公。
    しかし、若い女性をそういう目線で追っていながら、
    性欲としての対象ではなさそうなのが、また不思議なところ。
    しかもそのうえ妻子持ちでもあると。

    同じく男としては、ある部分共感できてしまったりもして、
    読んでいて自虐的な気分になることも…。
    女優やアイドルをかわいい! と愛でてるのも、
    この主人公と何ら変わらない気がして…。

    そして迎える衝撃の結末。
    ある意味、笑劇でもあり。
    この物語にどんな結末をつけるのかと思っていたのだが。
    「吾輩は猫である」と同じと言えるね。

  • 「自然主義文学」の祖として日本文学史に名前を残しながら、いまひとつ読まれることの少ない花袋の奇作??
    満員電車の中で制服を着た少女の匂いをクンカクンカしたり、気になった少女の家を確かめたり、あゝ、若いころもっと肉のかほりを嗅げばよかった、と嘆いたりる主人公。「あいつは若いころ、オナヌーやりすぎだろ」とまわりから言われる主人公。で衝撃のラスト!
    なんじゃこりゃ?な純文学。

全10件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

1872年群馬県生まれ。小説家。『蒲団』『田舎教師』等、自然主義派の作品を発表。1930年没。

「2017年 『温泉天国 ごきげん文藝』 で使われていた紹介文から引用しています。」

田山花袋の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×