画の悲み [青空文庫]

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  • 青空文庫
  • 新字新仮名
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  •  20の年に帰郷してみれば、かつての親友は病死し自分も最早以前の少年ではないという。
     20歳といえば今ではまだ子どもみたいなもんですが、当時は今よりも人間の成長も早く、当時の20歳は今の30歳くらいに当たるのではないでしょうか。だから今の感覚では、30歳になってから中学時代を思い出していると思えばいいのではないでしょうか。
     岡本某が語った話ということですが、この岡本某とは『牛肉と馬鈴薯』『岡本の手帳』に登場する岡本なのでしょうか。
     国木田独歩の短編には、いわゆる立身出世の成功者のような立場の人が昔の物悲しい出来事を語る趣向のものが多いと思います。
       http://d.hatena.ne.jp/nazegaku/20170922/p1

  • あらすじ:絵を描くことが大好きな岡田は、学校一絵がうまい志村という一年下の生徒に嫉妬していた。岡田は、学校一絵がうまいといわれたかったが、教師にはその成績優秀を鼻にかけられ、生徒からも信頼関係が得られておらず、その代わり志村が一番だといわれ続けていたのだった。志村は絵を描くこと以外の学業成績はあまりよくなく、逆に岡田は成績優秀であったが絵を描くことが好きだったので必ず志村を負かして学年一になろうと野心を燃やしていた。ある時、学内で制作物の展覧会が催されることになり、志村を負かそうという気概を持つ岡田は、渾身の馬の絵を用意して、当日に臨んだ。当日、大作2作の前に人だかりができる中、志村の描いたチョークのコロンブスの肖像画が自分の馬の絵を圧倒していることに気づき、口惜しさのあまりそこら中を駆け回る。しばらく暴れて落ち着いた後、自分も志村のようにチョークで何かを書いてみればいいのだと思い付き、散歩をして水車を描くことに決める。だがそこに同じく、水車を描いている志村を見つけ、手を止める。思い立って、今度は「水車を描く志村」を描こう、と考えた岡田は果たしてその通りに書き始める。そのうち、志村が岡田に気づき、声をかけてきた。志村と言葉を交わすうち、岡田は志村への嫉妬心が薄れ、志村とともに絵を描くようになる。学校帰りなどによく一緒に出掛けては絵を描いているうちに、二人は成長し、岡田はその後東京で過ごすことになった。以来、岡田は志村に会わずに過ごした。
    岡田が二十になったとき、再び故郷を訪れると、志村は十七の時に病に倒れて亡くなったという。懐かしい故郷の風景をみながら、岡田は志村と過ごした日々を思い出していた。

    国木田独歩の作品の中でも、教科書に載るくらい有名な作品らしい。私が習っていた教科書にはなかったが、読んでみると確かに、誰かに敗北したあと打倒を目指して競争心を燃やす、そんなライバル・よき友の姿が描かれている名作であった。

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