感想・レビュー・書評
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大学の医学部精神医学科が舞台。背景には、日本精神病学界の双璧である毛利博士と狩尾博士との対立がある。
毛利博士はドイツ医学の流れを組んで「脳質学派」を代表し、狩尾博士はイギリス・フランス医学の流れを組んで「体液学派」を代表していた。
本作品が描かれた当時、精神医学会でこのような脳質学派と体液学派の対立があったのかどうか、検索してもよく分かりません。
現在の視点から見ると、精神医学はやはり脳質の問題で、体液学派なんてあり得ないと思うのですが。
精神医学とは違って、心理的なタイプと体質や体液の分類はあったようです。
作者の小酒井不木は生理学の大家だったのですが、この作品では精神医学の教室が舞台です。精神医学はミステリに向いているぞと思って書かれたのでしょうか。もし長命だったら、その後も書かれたのかもしれません。
そしてこの物語は、毛利博士の部下の涌井君が友人のK君に送った手紙という書簡体で書かれています。
このK君というのは、小酒井不木のイメージなのでしょうか。
少年少女・ネタバレ談話室(ネタばらし注意!)
脳質学派と体液学派 闘争 小酒井不木
http://sfclub.sblo.jp/article/178021569.html詳細をみるコメント0件をすべて表示
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