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感想・レビュー・書評
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仕事に悩んでいた時に読んだ。
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青空文庫で無料で読めると知り、今更ながら初めてちゃんと読んでみた。ごめんなさい。
何より驚いたのは、小林多喜二は29で亡くなっておりこの作品は26,7の頃に書かれたものであること。
そんな若くして、これだけ生々しい描写が出来るようになる為にはどんな経験をしていたのか全く想像出来ない。
舞台が北海道近海からカムチャッカ、モデルになっているのが実在した会社と船であり、まさに労使とはこういうことを言ったんだろうな考えさせられる。フィクションでありながら、それに近いことが実際に起こっていたであろうことが想像でき、実に興味深かった。スーパーで蟹の缶詰を見るたびに思い出しそうです。-
2013/06/08
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・蟹工船が数年前から若い人に読まれているという。
・蟹工船の監督も桜宮高バスケ部の監督も共通する点が多々ある。憎まれ役を演じて、最後には主役(船主であったり、教育委員会や市長)に捨てられる。
・船長も校長も雇い主の意向を重視(カニ缶の増産や運動部の成績向上での学校名のステータスを上げるなど)して、監督の暴行を見て見ぬふりをしていたくせに、いざとなったら、責任を回避して逃げる。監督も労働者や運動部員と同じく犠牲者なのだ。
・蟹工船でも脚気のために、命を落とした労働者が多くいたが、戦争(特に第二次世界大戦)でも、日本兵は戦闘で死亡した数より、病気(脚気やマラリア)で死亡した数の方が多いという。(病気の日本近代史・秦郁彦著)戦略ミスであり、軍上層部の責任は重い。
白米ばかし食べていると脚気になるという。小生は7分つき米を食しているが・・・・・・。