パンドラの匣 [青空文庫]

著者 :
  • 青空文庫
  • 新字新仮名
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レビュー : 4
  • 青空文庫 ・電子書籍

感想・レビュー・書評

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  • あまり多くの作品を読んだ訳ではないが、太宰と言えば暗いイメージ。明るい青春小説と聞いて興味を惹かれ読み始める。
    結核患者の療養施設「健康道場」で暮らす主人公。
    「やっとるか」「やっとるぞ」「がんばれよ」「ようしきた」と奇妙なやり取りをする看護師と患者(道場ではそれぞれ「助手」「塾生」と呼ぶ)たちの生活が、主人公の視点から
    友人への手紙という形式で語られる。

    自由主義についての固パンの弁論と、主人公の竹さんに対する想いと描写の変化が印象深かった。読後感もとても爽やかで、まさに明るい青春小説だった。

  •  太宰治の最高傑作は何かと問われれば、私は、『パンドラの匣』だと思います。
    『人間失格』や『斜陽』は不健全です。
     高校生以下の人及び心理面に弱さを持つ人には、『人間失格』や『斜陽』は毒だと思います。
     そんな方々でも安心して読める、いや、元気付けてくれるのが本作品です。
     本作品には、日本が一番希望と可能性に満ちていた時代の健全な若者の心が描かれているのです。
     主人公・ひばりと彼が文通している友人のコンビは、不健全でサイコなキャラが多い太宰治の小説中、最も健全なコンビではないでしょうか。
     そして私は今後、本作品の結びにかけての部分をアファメーションとして用いないといけません。

    「僕の周囲は、もう、僕と同じくらいに明るくなっている。
     全くこれまで、僕たちの現れるところ、つねに、ひとりでに明るく華やかになって行ったじゃないか。
     あとはもう何も言わず、早くもなく、おそくもなく、極めてあたりまえの歩調でまっすぐに歩いて行こう。」
     
    「この道は、どこへつづいているのか。
     それは、伸びて行く植物の蔓つるに聞いたほうがよい。
     蔓は答えるだろう。
    「私はなんにも知りません。しかし、伸びて行く方向に陽ひが当るようです。」」 
       http://d.hatena.ne.jp/nazegaku/20150724/p1

  • 太宰治の本は「人間失格」しか読んだこと無かったですが、かなり作風が違うので驚きました。確かに爽やかな作品でした。ただ、今一つ。

  • ふよふよとおかしんで笑っていると終盤間際になって手のひらを返したみたいに壮絶な展開を見せるのが太宰である。わかっている、わかっているけれど毎回引っ掛かってヒエーとなる。どうすればいい。泣くほどは痛くない。だけど息が苦しい。美しいほどに日常は過酷だ。やんなっちゃうなあもう。ずるいのはさ太宰が最後にあんなにきれいにさよならって笑うことだよ、書いてないけど、笑ったんじゃない?知らないけど。ああもう。ずるいおとな。

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著者プロフィール

1909年(明治42年)〜 1948年(昭和23年)日本の小説家。代表作に『斜陽』『人間失格』『走れメロス』『富嶽百景』など多数。

「2019年 『女神 太宰治アイロニー傑作集』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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