kohchiさんの感想
2014年7月18日
『刺す。さうも思つた。大悪党だと思つた。』何度読んでも強烈ですね。太宰治の芥川賞への強い想いを考えると、ここまで追い詰められた心理や作品を評価されつつも私生活をあのように評された怒りというものも分からなくはありません。芥川賞や直木賞の書評にまつわる話を目にする度に色々と考えてしまいます。それでも『小鳥を飼ひ、舞踏を見る生活』を送る大悪党の川端先生が好きな私です。
明治42年(1909年)青森県生まれ。小説家。1935年、「逆行」が第1回芥川賞の次席となり、翌年、第一創作集『晩年』を刊行。『斜陽』などで流行作家となるが、『人間失格』を残し玉川上水で入水自殺した。「乙女の本棚」シリーズでは本作のほかに、『魚服記』、『葉桜と魔笛』、『女生徒』がある。 「2023年 『待つ』 で使われていた紹介文から引用しています。」